図1 Wii Uを発表
図1 Wii Uを発表
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図2 登壇する岩田氏
図2 登壇する岩田氏
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図3 ディスプレイを備えたタブレット型のコントローラ端末
図3 ディスプレイを備えたタブレット型のコントローラ端末
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図4 打ち上がった打球を見上げているシーン
図4 打ち上がった打球を見上げているシーン
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図5 テレビのチャンネル権は父親に譲り、子供はコントローラの画面でゲームを楽しむ
図5 テレビのチャンネル権は父親に譲り、子供はコントローラの画面でゲームを楽しむ
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図6 コントローラで見ていた写真をテレビでも閲覧可能に
図6 コントローラで見ていた写真をテレビでも閲覧可能に
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図7  Wii Fitによる測定結果をWii Uのコントローラ画面で確認できる
図7  Wii Fitによる測定結果をWii Uのコントローラ画面で確認できる
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図8 アバターの「Mii」をゲーム中のキャラクターとして操作できる
図8 アバターの「Mii」をゲーム中のキャラクターとして操作できる
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図9 コントローラ端末をゲーム内で「盾」のように利用できる。スライドのゲームでは、敵からユーザーに向けて飛んでくる矢のようなものを、ユーザーがコントローラ自体を上下左右に動かして防御する。
図9 コントローラ端末をゲーム内で「盾」のように利用できる。スライドのゲームでは、敵からユーザーに向けて飛んでくる矢のようなものを、ユーザーがコントローラ自体を上下左右に動かして防御する。
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図10 従来の「Wiiリモコン」とWii Uのタブレット型コントローラを利用して同じゲームを楽しめる
図10 従来の「Wiiリモコン」とWii Uのタブレット型コントローラを利用して同じゲームを楽しめる
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図11 各種ボタンの説明
図11 各種ボタンの説明
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図12 コントローラの裏側
図12 コントローラの裏側
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 任天堂は、E3開催日である2011年6月7日午前(現地時間)に開催した発表会で、同社の据置型ゲーム機「Wii」の後継機の詳細を発表した。その名は「Wii U(ウィー・ユー)」(図1)。「奥深く、そして幅広く」(任天堂 代表取締役社長の岩田聡氏)をコンセプトに、ゲーム初心者やカジュアル・ゲーマーをはじめ、多くの時間を割いてゲームを楽しむいわゆる「コア・ゲーマー」までを満足させるゲーム機を目指したという(図2)。「あなたにぴったりな」という意味のほか、「ユニーク」や「ユニファイ」、「ユートピア」といった意味を「U」の文字に込めたと説明した。

  講演中、岩田氏が強調したのが「Wii Uは携帯型ゲーム機ではない」(岩田氏)こと。あくまで据置型のWiiの後継機であることを強調した。任天堂は2011年春に携帯型ゲーム機「ニンテンドー 3DS」を発売したばかり。この発言の裏には、3DSとの違いを明確にし、3DSの販売に影響を及ぼさないようにする狙いがあるようだ。

タブレット型コントローラを採用


 Wii Uの最大の特徴は、6.2型のディスプレイを備えたタブレット型のコントローラ端末を備えたこと(図3)。ペン入力も可能で、DSシリーズで使うようなペンが付属している。このため、タッチ・パネルは抵抗膜方式とみられる。このコントローラを使ってゲームや遊びの幅をさらに広げる考えだ。

 その一例が、タブレット型コントローラの画面とテレビ画面の二つを利用して、ゲームを楽しめることにある。例えば、野球ゲームで外野フライをキャッチする際、コントローラをテレビ画面に向けて操作すると、グローブを上に構えながら打球を見上げるような視点となり、あたかもグローブを上空に掲げて飛んでくる打球をキャッチする、といった操作が可能になる(図4)。

 こうした利用法は、DSシリーズという携帯型ゲーム機で取り入れた、2画面を利用するといった使い方を、据置型ゲーム機にまで拡張したとも言えそうだ。

 また、家庭用ゲーム機ながら、これまでのようにテレビ画面を占有しないことも特徴にうたう。例えば子供がリビング・ルームのテレビでゲームを楽しんでいる最中、父親が来た場合、父親にテレビのチャンネル権をゆずり、子供はWii Uのコントローラの画面でゲームの続きを楽しむ、といった使い方ができる(図5)。

 このほか、タブレット型コントローラのディスプレイに表示させていた写真を、その画面上をテレビ側に向けて指ですばやくなぞることで、テレビに瞬時に送付する、という利用シーンも披露した(図6)。こうした使い方をすることで、リビング・ルームなど、同じ部屋にいる人々で写真を共有して楽しむといった「人々のつながり」を重視したとする。

Wiiの周辺機器や3DSと連携可能


 Wii Uは、これまで任天堂が発売したWiiの周辺機器や携帯型ゲーム機と連携できる。例えば、Wii Uのリモコンを持ちながらWii Fitに乗ると、その体重などの測定結果を、Wii Uのコントローラ画面で確認できる(図7)。

 Wii Uと3DSの連携については、3DS向けとWii U向けそれぞれに対戦アクションゲーム「スマッシュブラザーズ」シリーズの最新作を提供する。詳細は明かさなかったが、3DS版とWii版で、何らかの連携を可能にするという。
 
 講演ではこのほか、アバターの「Mii」をゲーム中のキャラクターとしてWii Uで操作できること(図8)、コントローラ端末をゲーム内で「盾」のように利用できること(図9)、従来の「Wiiリモコン」とWii Uのタブレット型コントローラを利用して同じゲームを楽しめること(図10)、などについて明らかにした。

モーション・センサなどを搭載


 コントローラ端末のベゼル部分には十字ボタンやA、Bボタンといった各種ボタンを配置した(図11,12)。外観はWiiのような白色をベースにしている。加速度センサやジャイロ・センサといったモーション・センサ、カメラなどを搭載し、振動機能も備える。

 ゲーム初心者に向けては、ボタン類をなるべく使わずに、モーション・センサを利用してWii Uのコントローラを傾けたり、振ったりして操作できるようにするとした。

本体外観はWiiに類似


 Wii Uの本体の外観はWiiに酷似している。その大きさは、10.5インチ×6.8インチ×1.8インチ。映像出力用の端子としてHDMI端子を搭載。1080pのHD動画を出力できる。ゲーム用の記録媒体として、直径12cmの光ディスクを採用する。

 ストレージとして、フラッシュ・メモリを内蔵。SDメモリーカードや外付けHDDも利用できる。USB 2.0端子を4ポート備える。米IBM社のPower PC系のマルチコア・プロセサを搭載する。

 機能としては、テレビに表示した映像と同じ映像をコントローラの画面に表示できる。その逆も可能だ。つまり、本体側とコントローラ側で映像信号を送受信している可能性がある。その際の通信手段について明らかにしなかったが、おそらく無線LANを利用したもよう。また、コントローラ側からボタン入力の結果データを本体側に送る際には、Wiiリモコンと同じく、Bluetoothを採用したとみられる。

 Wii Uの発売は2012年中を予定。発表会では具体的な発売日や価格、Wii U専用ゲーム・タイトルは明らかにしなかった。

 なお、Wii UはE3会場で試遊できる。会場内ではWii Uを体験しようと長蛇の列が出来ていた。筆者もそれに並んだが、試遊できるまで約4時間並んだ。その内容は後日掲載する予定だ。