世界および地域別の単月の半導体売上高(3カ月移動平均値)の推移(データ提供:SIAおよびWSTS,グラフ化:Tech-On!)
世界および地域別の単月の半導体売上高(3カ月移動平均値)の推移(データ提供:SIAおよびWSTS,グラフ化:Tech-On!)
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単月の半導体の世界売上高(3カ月移動平均値)と対前年同月比の推移 SIAとWSTSのデータ。
単月の半導体の世界売上高(3カ月移動平均値)と対前年同月比の推移 SIAとWSTSのデータ。
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 米SIA(Semiconductor Industry Association)の発表によると(ニュース・リリース),2011年4月における半導体の世界売上高は246億7000万米ドルだった(3カ月の移動平均値。以下同)。対前年同月比では3.96%増加したものの,対前月比では2.2%の減少となった(Tech-On!関連記事)。

 SIAは前月比で2.2%減少したことを,「例年に比べて低調」とした。その原因の一部として,日本の東日本大震災を挙げている。実際,日本の数字は悪い。対前月比は5.2%減と,4地域の中で最も減少幅が大きい(なお,4月の対前月比は4地域すべてでマイナスである)。そして,日本は対前年同月比も7%の減少となっており,4地域の中で唯一,マイナス成長だった。

 SIAは,大震災のインパクトは,サプライ・チェーンの復旧への努力で軽減されているとしながらも,その成果が大きく実るのは2011年の後半になると見ている。また,年初来の半導体市場の成長率は米国のGDPを上回ってはいるが,先行きの不透明感をにおわすコメントを出している。すなわち,燃料や食品の価格が上昇気味で,これが一般消費者の手元資金の減少の原因になっている。このため,米国の全産業で成長傾向が軟化してきているという。