「E-CORE LED Light Engine」ランプの外径は90mm、高さは48mm(写真:東芝)
「E-CORE LED Light Engine」ランプの外径は90mm、高さは48mm(写真:東芝)
[画像のクリックで拡大表示]

 東芝(現地の担当はToshiba New Lighting Systems (France) S.A.)は、イタリア・ミラノ市近郊のロー市で開催された照明機器の展示会「Euroluce 2011」において、欧州で2011年4月に発売したLED電球やグレア・カットを意識したダウンライト、そして照明器具メーカーなどからの採用を目指す新製品「E-CORE LED Light Engine」を展示した。

 「E-CORE LED Light Engine」は、光束が1100lm、1600lm(色温度が4000K、3000Kの場合。2700Kは1050lm、1600lm)の2種類、ビーム角が45度、85度の2種類。放熱構造付口金(GH76p) をドイツBJB GmbH&Co.KGと共同開発した。「一つのLEDモジュールに一つのレンズを組み合わせるタイプでは、照度を上げるためにレンズの数を増やす必要がある。だが、500lm以上の光束を持つ製品を作るためにはランプの外形が大きくなり、市場で受け入れられない。それを解決するため、複数のレンズを使わない新方式のランプを開発した。Philips社のLEDランプ『Fortimo』の対抗品として、大きさや価格をそろえた」(同社)。

 新開発のランプの特徴は、外形を小さくするだけではない。照射した物体の影がレンズの数だけ出てしまう従来のダウンライトなどと違い、同ランプを使えば影も一つにできる。配光角もランプで決められる。

 「放熱用の部材は各メーカーで照明器具の形状に合わせて生産してもらう方針だが、開発が負担となるメーカーも多い。このため、放熱用の部材についても製品化を検討している。メーカーによっては、ランプで配光が決まると照明器具メーカーに開発の余地がないため『もっと自由度がほしい』という声もあった」(東芝)という。

 他にも従来光源の口金に合うシャンデリア球代替用の小型LEDランプや、日本でのクリプトン球25W相当の小型ランプといった新製品7種類なども展示した。欧州で市場が大きいと言われるダイクロ・ハロゲン球代替用のLED電球は、発売から好調な100V35W相当品に加え、12V35W相当品を発売した。2011年4月1日から販売しており、施主渡し価格は80ユーロ程度。

 東芝はさらに「日本と同じものでは売れないため、欧州の市場に合わせて発売する製品の種類を検討した」と話す。ハロゲン代替用に色温度は2700K、3000K、4000Kを用意しており「欧州では電球色の需要が多いが、ショッピングセンターの通路で使われるアクセント照明用などに4000Kのランプも人気が高まっている。従来のハロゲンにはなかったLEDならではの色温度の選択だ」と話す。