Thunderboltについて語るRay Askew氏
Thunderboltについて語るRay Askew氏
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動作デモの様子
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Thunderbolt対応ケーブルを接続したMacBook Pro端末の側面
Thunderbolt対応ケーブルを接続したMacBook Pro端末の側面
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Thunderbolt対応ケーブルのコネクタ。形状はMini DisplayPortと同じだ。
Thunderbolt対応ケーブルのコネクタ。形状はMini DisplayPortと同じだ。
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 米Intel社は、「Intel Developer Forum 2011 Beijing」(2011年4月12~13日,中国・北京)において、同社が推進する高速インタフェース「Thunderbolt」の採用を検討する機器メーカー向けに、2011年7~9月から開発キット(参照デザイン)を提供すると発表した。同インタフェースに対応する光ケーブルの提供は、同年10~12月に始めるという。4月12日に同社が催したThunderboltに関する技術セッションにおいて、登壇したIntel社 Product Marketing EngineerのRay Askew氏が明らかにした。

 Askew氏はこの講演で、ストレージ装置やビデオ・カメラなどのベンダーの間でThunderboltを採用する動きが広がっていることを強調した。例えば、米Seagate社や米Western Digital社などが同インタフェースを搭載したストレージ装置を2011年中に投入するほか、時期は特定しなかったものの「キヤノンがカメラ製品へ搭載する」(同氏)と語った。

 技術的な説明については、既に公開されている基本的な情報に関するものが大半だった。このため、講演後に聴講者から多くの質問が投げかけられた。「標準化に取り組む計画はないのか?」「コントローラICの機能を(マイクロプロセサの)チップセットに統合する計画は?」といったものだ。標準化については、「現時点ではThunderboltはIntel社の独自技術だと位置付けている。当面は我々の顧客が同インタフェース搭載機を市場に出すための取り組みに集中する」(Askew氏)と答えた。チップセットへの機能統合の計画など、今後のロードマップについては「一切話せない」(同氏)とした。

 Intel社は今回のIDFにおいて、Thunderboltの動作デモを披露した。2011年2月に同インタフェースに業界で初めて対応した米Apple社のノート・パソコン「MacBook Pro」の新機種を用いたものである。

 このデモでは、米PROMISE Technology社のストレージ装置に、パソコン(MackBook Pro)と外部ディスプレイをデイジー・チェーンのトポロジで接続している。ストレージ装置に保存してある動画ファイル(1080pの非圧縮の動画4本分)を、Thunderbolt対応のケーブルを介してパソコンに伝送してモニタで再生してみせた。データ伝送速度は約4.5Gビット/秒という。さらに,モニタに表示した映像信号を同じケーブルを介してストレージ装置に伝送し、同装置とDisplayPortで接続した外部ディスプレイにも同時に出力した。PROMISE社はThunderboltを搭載したストレージ装置を2011年中に投入することを表明しており、今回のデモではその試作機を使用した。