Kinect の活用により、執刀医は減菌領域内にとどまって患者の画像を操作できるようになった。写真は画像操作のシミュレーションをするSunnybrook Health Science CentreのDr.Calvin Law氏
Kinect の活用により、執刀医は減菌領域内にとどまって患者の画像を操作できるようになった。写真は画像操作のシミュレーションをするSunnybrook Health Science CentreのDr.Calvin Law氏
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 カナダ・オンタリオ州の医療チームは、米Microsoft社のジェスチャー入力装置「Kinect」を外科手術の手術現場で採用したと発表した。執刀医が、手術中に減菌領域にとどまりながら患者の診断画像を操作する際に活用する。今回、Kinectを採用したのは、カナダUniversity of Torontoの研修医と、カナダSunnybrook Health Science Centreのがん外科医による医療技術グループである。

 がんなどの外科手術の際には、手術中に患者のMRIやX線CTの診断画像を確認するケースがよくがある。しかし、画像を表示させるためのキーボードやマウスは非減菌領域にある場合が多く、減菌領域にいる執刀医が直接操作することができない。このため執刀医は、非減菌領域にいる助手などに画像を調整するよう指示する必要がある。

 今回、Kinectを活用することで、執刀医のこうした作業負担を削減した。具体的には、手術室のコンピュータにゲーム機を接続し、執刀医が身振り手振りで患者の診断画像を直接操作できるようにした。執刀医などの手術スタッフは、減菌領域を離れずに手術を続けることができるようになる。

 Kinectを活用する様子は、以下のYouTube画像でも確認できる(YouTubeの動画)。なお、今回のシステムを開発したチームは今後、あらゆるタイプの手術に対して横断的に活用できるようにする取り組みを続けるという。