日東電工は,東日本大震災が同社に与えた影響について,2011年3月18日15時現在の被災状況を明らかにした(同社のニュース・リリース)。同社は3月14日に第1報を発表しており,今回の発表は第2報となる。

 今回の発表によると,デジタル家電・ノートPC用途を中心に粘着テープ関連の加工を行う,子会社「日昌」の2工場が3月18日15時現在,操業を停止している。日昌 いわき工場(福島県 いわき市)は,15日に一部生産ラインを稼働させていたが,福島第一原子力発電所の事故が拡大したことにより,16日から21日まで一時休業している。同社 東北工場(宮城県 大崎市)については,操業停止の要因となっていた停電および断水が回復したことから,設備点検を行い生産の準備を進めているという。両工場とも,復旧の見通しについては,分かり次第お知らせするとしている(日昌のニュース・リリースの第1報(14日)第2報(16日)第3報(18日))。

 医療関連材料を生産する日東電工の東北事業所(宮城県 大崎市)は,停電および断水などにより操業を停止していたが,18日に一部の電気がつながった。今後は,建屋や設備の点検を実施する予定であるという。フッ素樹脂関連製品を生産する同社 関東事業所(埼玉県 深谷市)は,建屋や設備への被害はないとする。ただ,計画停電により通常の生産計画に基づいた製造が困難になりつつあるとしている。

 なお,上記以外の国内事業所および海外生産拠点については,建屋や設備への被害はないという。ただ,原材料メーカーの被害状況との兼ね合いにより,一部の原材料の入荷が困難になることが予想されるため,今後の生産に支障をきたすことが懸念されるとしている。