ソニーは、2011年3月11日に発生した東日本巨大地震により、東北地方の生産拠点が大きな被害を受けた。磁気テープや光学フィルムなどを生産するソニーケミカル&インフォメーションデバイスの多賀城事業所(宮城県多賀城市)では、津波により建屋の1階が浸水するなどの被害を受け、操業が完全に停止している。「復旧のメドは立っていない」(ソニー広報)という。このほか、ソニー白石セミコンダクタ(宮城県白石市)など、地震の揺れの影響を受けた東北地方の5拠点で操業を停止中である。自主的に停電中の拠点を含めて、3月14日午前の時点で、全国で計10拠点の稼働を停止している。ただし、多賀城事業所を含む各拠点の従業員については,無事を確認しているという。

 地震による影響を受けた主な拠点の、3月14日12時時点の状況は以下の通りである。

揺れと津波の影響を受けた拠点(1拠点)

●ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 多賀城事業所(磁気テープや光学フィルムなどを生産、宮城県多賀城市)
・・・津波により建屋の1階が浸水。3月11日の被災時には1000人以上の従業員が2階以上へ避難した。その後、3月12日以降に水は引いた。3月14日午前時点で、ほかに滞在先がない数十名の従業員が同事業所に残っているという。同従業員に対しては水と発電機が補給されている。現時点で操業を停止しており、復旧のメドは立っていない。

揺れの影響を受けた拠点(5拠点)

●ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 登米事業所 豊里サイト(磁気テープなどを生産、宮城県登米市豊里町)
・・・震災以来、停電が続いており操業を停止している。社員は自宅待機中で、幹部社員が生産設備の状況を確認している。

●ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 登米事業所 なかだサイト(磁気ヘッドなどを生産、宮城県登米市中田町)
・・・震災以来、停電が続いており操業を停止している。社員は自宅待機中で、幹部社員が生産設備の状況を確認している。

●ソニー白石セミコンダクタ(半導体レーザなどを生産、宮城県白石市)
・・・震災以来、停電が続いており操業を停止している。社員は自宅待機中で、幹部社員が生産設備の状況を確認している。

●ソニーエナジー・デバイス 郡山事業所(リチウムイオン2次電池などを生産、福島県郡山市)
・・・震災以来、稼働を停止している。社員は自宅待機中で、一部の社員が生産設備の状況を確認している。

●ソニーエナジー・デバイス 本宮事業所(リチウムイオン2次電池などを生産、福島県本宮市)
・・・震災以来、稼働を停止している。社員は自宅待機中で、一部の社員が生産設備の状況を確認している。

自主的に停電中の拠点(4拠点)

 以下の4拠点では、3月14日午前に自主的に停電しており、状況を見極めて稼働する計画という。

●ソニーケミカル&インフォメーションデバイス 鹿沼事業所(異方性導電膜などを生産、栃木県鹿沼市)

●ソニーエナジー・デバイス 栃木事業所(リチウムイオン2次電池などを生産、栃木県下野市)

●ソニーDADCジャパン 茨城工場(光ディスクなどを生産、茨城県那珂市)

●ソニー 厚木テクノロジーセンター(設計など、神奈川県厚木市)

点検のため操業を停止中の拠点(1拠点)

●ソニーマニュファクチャリングシステムズ(実装装置などを生産、埼玉県久喜市)