新投入する「プチドラム」と「トールドラム」
新投入する「プチドラム」と「トールドラム」
[画像のクリックで拡大表示]
「プチドラム」の構造。背面に熱交換器を配置
「プチドラム」の構造。背面に熱交換器を配置
[画像のクリックで拡大表示]
パナソニックのドラム式洗濯乾燥機のラインアップ
パナソニックのドラム式洗濯乾燥機のラインアップ
[画像のクリックで拡大表示]

 パナソニックは2011年3月4日,単身者や夫婦などの1~3人の世帯に向けたドラム式洗濯乾燥機「プチドラム」を同年4月15日に発売すると発表した。同社のドラム式洗濯乾燥機はこれまで洗濯時の定格容量が9kgの大容量機種しかなかったが,少人数世帯の比率が高まっていることから,洗濯6kg(乾燥3kg)と比較的容量が小さいドラム式洗濯乾燥機を市場に投入する。

 プチドラムは,マンションでの設置に最適な幅596mm×奥行き595mmと従来の縦型洗濯機とほぼ同じ設置面積を実現した。高さ920mmと従来のドラム式洗濯乾燥機や縦型洗濯機よりも低い。小型化するためにヒートポンプではなく,ヒータ方式を採用した。ドラム槽の直径はこれまでと同じながら,奥行きは60mm短い。高さの削減については,従来は上部にあった熱交換器を薄型化して洗濯乾燥機の背面に配置した。

 このほか,振動を抑えるために加速度センサ「3D見張りセンサー」を搭載した。外槽上部に取り付けた加速度センサで上下・左右・前後の動きを認識し,ドラム槽内の衣類の偏りなどによって振動が大きくなった場合は,ドラムの回転を制御して衣類の偏りを修正する。この機能を搭載したことで振動を抑えた運転が可能となり,ドラム槽と筐体の隙間を縮小できたとしている。

 ただし,プチドラムはヒータ方式を採用したため,洗濯乾燥時の消費電力量は1回当たり約1680Whと,ヒートポンプ式を採用している洗濯容量9kgの最新機種に比べて約990Whほど高い。使用する水の量もヒータ方式では乾燥時に水を使うため,1回当たり95Lと,ヒートポンプ式の最新機種よりも42Lほど多くなる。パナソニックでは現段階では,小容量の機種にヒートポンプを採用することは難しいが,将来的には内蔵を考えていくとしている。

 プチドラムは標準品の「NA-VD100L」と,20~30歳代を狙った「NIGHT COLORシリーズ」の「NA-VD200L」を用意した。NA-VD200Lは夜間の洗濯に対応するために,洗濯乾燥機の側面の内部に防振材を張り付けた。これによって,運転音を洗濯時に約31dB,脱水時に約41dB,乾燥時に約44dBと,標準品に比べてそれぞれ1dB抑えている。両品種とも価格はオープンだが,実売予想価格は,NA-VD100Lが15万円前後,NA-VD200Lが16万円前後を見込む。月産台数は両品種で6000台を計画する。

 パナソニックではこのほか,洗濯9kg(乾燥6kg)の定格容量のドラム式洗濯乾燥機の新機種として,ドラム投入口の高さを同社現行品に比べて10cm高めて衣類の出し入れを容易にした「トールドラム」についても発表した。投入口を高くしたほか,洗濯時間を35分と現行品よりも7分短縮している。価格はオープンだが,実売予想価格は30万円前後を見込む。月産生産台数は2000台である。