世界最大級のゲーム開発者会議「Game Developers Conference(GDC)」(2011年2月28日~3月4日,米国サンフランシスコ開催)が開幕し,初日はチュートリアルと,あるテーマに特化した「Summit」が開催された。このうち,ソーシャル・ゲームなどをテーマにした「Social & Online Games Summit」では,「Games on SmartTVs」と題し,米Google社が同社の「Google TV」をはじめとしたスマートTVに向けたゲームについて講演した。

 この講演の冒頭で,米国において2010年に200万台だったスマートTVは,2014年には4300万台にまで急伸し,世界全体では2014年に2億3000万台にまで増えるという調査会社の予測を紹介し,急拡大するスマートTV市場への期待を述べた。ブロードバンドの普及も拡大し,2014年には米国の家庭の約78%がブロードバンドを利用可能になることで,スマートTVの利用環境も整うとした。

 スマートTVに向くゲームとして,例えばカジュアル・ゲームやソーシャル・ゲームを挙げた。カジュアル・ゲームを例に挙げたのは,ゲーム専用のコントローラがないなど,ハードウエア上の制約があるためだ。また,ソーシャル・ゲームに関しては,パソコンよりも大きな画面で楽しめるため,「よりインタラクティブになる」という利点があるとした。

距離を大事に


 スマートTV向けゲームを開発する上で考慮すべき点として,ユーザーから画面までの「距離」を挙げる。その距離は,一般に10フィート(約3.05m)ほど。このため,画面に表示された小さい文字が読みにくいなどの課題が生じる。そこで,大きなアイコンを用いたユーザー・インタフェース(UI)や,操作のナビ情報を提示することなどで,スマートTV上のゲームを操作しやすくすべきとする。

 スマートTV向けのゲームは,そのコントローラや課金方法がこれまでのゲーム機よりも多様化するという。例えば,加速度センサやジャイロ・センサ,GPS,カメラを搭載したスマートフォンやタブレット端末をコントローラ代わりに利用できるようになる。

 課金方法に関しては,これまでゲームを販売して代金を徴収するといった従来の手法から,広告収入,基本機能を無料で提供して高度な機能について課金する,いわゆる「フリーミアム」といった手法も利用できるという。

 このほか講演では,Android向けSDKやGoogle TV向けSDK,そしてEclipseの利用で,スマートTV向けゲームの開発環境を無料で整えられる点を強調していた。

■変更履歴
初出時掲載していた写真は講演者からの申し入れにより削除しました。[2020/5/14 16:00]