「EIZO」ブランドの,高品質な液晶モニターで知られるナナオ。筆者が訪れたその生産現場からは,同社のこだわりの一端を垣間見ることができた。
石川県白山市。本社と同じ敷地にある4階建ての建物が,液晶モニターの生産工場である。ここで同社のモニター製品の95%が造られ,その半数以上は海外に出荷されるという。なお,残り5%はドイツの工場で生産している。
4階には広色域モニター「ColorEdge」シリーズや,医療向けモニター「RadiForce」シリーズなど上位機種の生産ライン,3階には汎用モニター「FlexScan」シリーズの生産ラインがある。2階は生産管理用,1階は梱包・出荷用のスペースになっている。4階と3階では,それぞれ組み立て→エージング→調整→検査という段階を経てモニターが完成し,1階の梱包スペースへと運ばれていく。
4階と3階の工程の流れは基本的に同じだが,その中身はかなり違う。例えば,3階ではベルトコンベヤを利用した流れ作業で工程が進んでいくのに対して,上位機種を扱う4階ではモニターを1台ずつキャスター付きのワゴンに載せて,各工程間を移動させている。機種によって,それぞれ異なる調整を実施する必要があるためだという。
なお,4階において,モニターを載せたワゴンには1台ずつUPS(無停電電源装置)が装備され,途中でモニターの電源が落ちないよう配慮されていた。