アフリカ大陸とアンゴラ共和国 外務省のデータ。
アフリカ大陸とアンゴラ共和国 外務省のデータ。
[画像のクリックで拡大表示]

 総務省の発表によれば(ニュース・リリース),森田総務大臣政務官は,来日したアンゴラ共和国のサフェッカ通信・情報技術副大臣と総務省において会談した。この会談で同国における地上デジタル・テレビ放送方式の規格として日本方式(ISDB-T方式)の採用に向けた取り組みを推進していくことで合意し,情報通信技術分野における協力に関する覚書に署名した。

 アンゴラがISDB-T方式を採用すれば,アフリカでは初めてになる。アフリカの地デジ方式に関しては,欧州のDVB-T方式が有力と言われている。例えば,南アフリカ共和国がDVB-Tの改良版の「DVB-T2」の採用を決めて,南部アフリカ諸国にDVB-T/T2を進めているという報道が2010年の第4四半期から,目立つようになってきた。

 アンゴラは地理的には南アフリカに近いため,アンゴラもDVB-T/T2に傾斜するとの見方が強かった。ただし,アンゴラは,ISDB-TをベースにしたISDB-TB方式の発祥地である南米のブラジルと同様に,ポルトガル語圏に属する。

 日本とブラジルはこれまでもISDB-T方式/ISDB-TB方式をアンゴラに勧めてきたようだ。今回の覚書は,そうした活動の成果と言える。ブラジルのメディアによれば,アンゴラはブラジル政府に対しても,DVB-Tチームではなく,ISDB-Tチームへの参画を表明しているという。