図1 Broadcom社の無線通信コンボ・チップ「BCM4330」の概要
図1 Broadcom社の無線通信コンボ・チップ「BCM4330」の概要
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図2 「Bluetooth low energy」(BLE)での通信が可能なBluetooth 4.0規格の認証を取得した。Broadcom社の展示ブースでは,BLEの応用例として血圧計とスマートフォン間の通信の様子を見せていた
図2 「Bluetooth low energy」(BLE)での通信が可能なBluetooth 4.0規格の認証を取得した。Broadcom社の展示ブースでは,BLEの応用例として血圧計とスマートフォン間の通信の様子を見せていた
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図3 村田製作所が,BCM4330と関連部品を実装した無線通信モジュールを開発済みである
図3 村田製作所が,BCM4330と関連部品を実装した無線通信モジュールを開発済みである
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 米Broadcom Corp.は,スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011」(2011年2月14~17日)において,複数の無線通信方式に対応する無線通信LSI(同社は「コンボ・チップ」と呼ぶ)の第3世代品「BCM4330」を発表した(英文の発表資料)。コンボ・チップとして初めてBluetooth 4.0規格の認証を取得して「Bluetooth low energy」(BLE)での通信に対応したこと,無線LAN機能を備えた機器同士がアクセス・ポイントを介さずに直接通信する仕様「Wi-Fi Direct」に対応したことなどを特徴とする。

 Broadcom社によると,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.がMobile World Congress 2011で発表したAndroidスマートフォン「Galaxy S II」(Tech-On!の関連記事1同関連記事2)が,ハンドセット型端末として最初の採用例になったという。

 BCM4330は,無線LAN,Bluetooth,FMの送受信回路と,パワー・アンプやLNAなどのRF回路,そして電力管理ユニットを1チップに実装した無線通信LSIである。65nm世代の技術で製造する。Broadcom社は既に量産出荷を開始している。

 2.4GHz帯および5GHz帯に対応する無線LAN機能は,IEEE 802.11a/b/gのほか,シングル・ストリームのIEEE 802.11nに対応する。Wi-Fi Direct機能(同関連記事3)や無線LANアクセス・ポイント・モードをサポートするデバイス・ドライバ・ソフトウエアも提供する。BCM4330のBluetoothは,BLEでの通信や最大24Mビット/秒の高速通信モードに対応する。

 BCM4330と関連部品を実装した無線通信モジュールを,村田製作所が開発済みである。実装面積は,プリント配線基板型のモジュールが7.35mm×7.1mm,LTCC基板型のモジュールが6.9mm×6.2mmである。