図1 LTE対応USBモデムの参照設計
図1 LTE対応USBモデムの参照設計
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図2 Quanta Computer社がM700を採用した,LTE対応タブレット端末の試作機。アプリケーション・プロセサにはNovaシリーズの「A9500」を用いた
図2 Quanta Computer社がM700を採用した,LTE対応タブレット端末の試作機。アプリケーション・プロセサにはNovaシリーズの「A9500」を用いた
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 スイスST-Ericsson社は,LTEに対応するモデム用チップセットの第2世代品「Thor M7400」を発表した。FDD(周波数分割多重)モードとTDD(時分割多重)モードのLTEのほか,Dual-Carrier HSPA+,TD-SCDMA,GSMAなどに対応する。併せて,M7400をLTE非対応にした「Thor M7300」を発表した。いずれも2011年第2四半期にサンプル出荷を開始する。

 同社のLTE対応の第1世代品である「M700」「M730」のベースバンド処理LSIは,LTEと3G,2Gの専用処理回路を別々に集積していた。今回の第2世代品でST-Ericsson社は,「EVP」(enhanced vector processor)と呼ぶ独自のDSPを導入し,ベースバンド処理の多くをEVP上で実行するようにした。ソフトウエアの切り替えで異なる通信方式に対応する,いわゆる「SDR」(software defined radio)型となった。一般的なSDR型のベースバンド処理LSIと同様に,負荷が大きい一部の処理は,専用のアクセラレータ回路で実行しているという。

 M7400を使って8バンド対応のLTEモデムを製造する場合の実装面積は,約500mm2であるとする。

 ST-Ericsson社は同日,台湾Quanta Computer社がLTE対応タブレット端末の試作機にST-Ericsson社の「M700」を採用したことも発表している。