信号機や看板と一体化した移動体通信の基地局設備
信号機や看板と一体化した移動体通信の基地局設備
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 スウェーデンEricsson社はスペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2011」(2011年2月14日~17日)において,基地局アンテナ機能を搭載した信号機やパーキングの看板などを展示している。

 同社では2020年までに移動体通信のネットワークに500億の機器が接続されると予測している。こうしたことを考えると「(半径500m以上をカバーする)マクロセルだけではトラフィックを収容できなくなる」(説明員)。これに対応するために,同社では家庭に置くようなフェムトセルから半径数百m程度のスモールセルなど,あらゆる場所に多様な種類の基地局アンテナを設置していく必要があると考えた。

 その解決策の一つとして提示したのが,信号機や屋外看板に基地局を収納して,小さなセルを街中に展開していくという方法である。信号機などは既に電源が確保されていることから,基地局機能を搭載するにはもってこいだ。

 同社は小さなセルと大きなセルが入り乱れて設置される複雑なネットワークを「Heterogeneous Networks (HetNets)」と呼んでいる。バックホールおよび基地局装置を同社の製品で固めることで,基地局アンテナごとの出力やビームの方向を制御し,基地局アンテナ間の干渉を自動的に最小になるよう最適化できるという。