米Qualcomm Inc.は,2011年2月14~17日にスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2011」において,端末同士がピア・ツー・ピア(P2P)で通信する新しい無線技術「FlashLinq」を初めて実演すると発表した(英文の発表資料)。基地局の介在なしで端末が互いに認識して通信できるという。

 FlashLinqは,ライセンスを受けた専用の周波数帯域で利用することを想定しており,アクセス方式にはTDD(時分割多重)のOFDMA(直交周波数分割多重アクセス)を用いる。端末の探索範囲は最大1kmで,数千台の端末を認識し,通信できる。干渉を防ぐ管理技術も盛り込んでいるとする。「端末を直接探索し,分散型で通信するFlashLinqにより,通信事業者は移動通信ネットワークを拡張できることになる」(Qualcomm社)。ローカル広告,地域に関連付けたソーシャル・ネットワーキング,M2M(machine-to-machine)通信などへの利用を想定する。

 Qualcomm社は韓国SK Telecom社と協力し,FlashLinqの商用化に向けた試験運用を韓国で行う計画である。