距離画像センサ
距離画像センサ
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距離画像センサの構成
距離画像センサの構成
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動作デモの様子。左側に写る手の動きで操作している。
動作デモの様子。左側に写る手の動きで操作している。
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 ベルギーのOptrima社は,民生機器用途に向けた安価な距離画像センサを開発し,「2011 International CES」(米国ラスベガス,2011年1月6~9日開催)に出展した。主に,テレビやパソコン,ゲーム機,セットトップ・ボックス(STB)などでのジェスチャー入力操作に用いる用途を想定する。2011年第1四半期に製品化予定で,価格は「149米ドル」(説明員)と,距離画像センサとしては安い。

 距離計測やジェスチャー入力に利用できる点は,Kinectに採用されたPrimeSense社の技術に似ているが,距離計測の手法が異なる。同社は,赤外光を対象物に照射して反射光を検出し,その到達時間をもとにして距離を算出するTOF(time of flight)方式を採用する。一方,PrimeSense社の距離画像センサは,特定のパターンの赤外光を照射し,対象物に投影されたパターンを赤外カメラでとらえ,三角測量の原理で距離を計測する。Optrima社のブースの説明員によれば,PrimeSense社の技術と比べた優位点として,「キャリブレーションの手間が少ない」(説明員)と主張する。

 開発したセンサ装置は,距離画像センサ用の光源に赤外LEDを約20個,赤外カメラを1個搭載する。距離画像センサのほか,可視光カメラやマイクも備える。こうした各種センサの制御のほか,距離画像データの生成などを行うSoCを搭載する。センサ装置とホスト機器(パソコンやSTBなど)はUSB 2.0で接続し,データの送受信と給電を行う。距離画像センサは,QQVGA(160×120画素)の距離画像データを100フレーム/秒でホスト機器に出力できる。次世代品では,QVGAの距離画像データを100フレーム/秒で出力することを目指す。

 この距離画像データをもとに,ホスト機器が演算処理を施し,ユーザーの動作を推定する。その際に必要なミドルウエアなどをベルギーSoftkinetic社が提供する。なお,同社のミドルウエアは,PrimeSense社の距離画像センサを用いた場合でも利用可能とする。

 Optrima社は民生機器向けのほか,業務用機器などに向けた距離画像センサを開発中。2011年第2四半期に製品化予定である。