図1 薄型テレビの販売推移
図1 薄型テレビの販売推移
[画像のクリックで拡大表示]
図2 薄型テレビのメーカー別台数シェア
図2 薄型テレビのメーカー別台数シェア
[画像のクリックで拡大表示]
図3 3Dテレビの販売構成比(40型以上)
図3 3Dテレビの販売構成比(40型以上)
[画像のクリックで拡大表示]
図4 LEDバックライト搭載液晶テレビの構成比
図4 LEDバックライト搭載液晶テレビの構成比
[画像のクリックで拡大表示]
図5 BDレコーダーのメーカー別台数シェア
図5 BDレコーダーのメーカー別台数シェア
[画像のクリックで拡大表示]
図6 デジタル・カメラの販売推移
図6 デジタル・カメラの販売推移
[画像のクリックで拡大表示]
図7 デジタル・カメラのメーカー別台数シェア
図7 デジタル・カメラのメーカー別台数シェア
[画像のクリックで拡大表示]
図8 スマートフォンの通信事業者別台数シェア
図8 スマートフォンの通信事業者別台数シェア
[画像のクリックで拡大表示]

 調査会社であるBCNは2011年1月13日,主要なデジタル家電製品に関する国内市場動向を発表した。この発表は,家電量販店など23社/2357店舗におけるPOSデータを集計した「BCNランキング」に基づくものである。

テレビ市場はエコポイント前の水準に

 薄型テレビの販売台数は,家電エコポイント制度が変更される直前だった2010年11月,台数は前年同月比で505.3%,金額は同381.4%と「集計を開始した2004年以降で過去最高を記録した」(BCN データマーケティング部 部長 エグゼクティブアナリストの道越一郎氏)。その“祭り”の反動もあり,翌月の2010年12月は台数で同65.3%,金額で同46.6%の大幅減となった。ただし,「台数ベースでは,エコポイント前である2008年12月の水準に戻っただけ」(同氏)とする。

 2010年12月のメーカー別台数シェアは,シャープが36.2%,東芝が18.9%,ソニーが15.3%,パナソニックが10.7%である。ただし,2~4位のメーカー順位の変動は激しい。2010年10~12月は,「エコポイント特需の影響で各社は品薄状態だったため,“どれだけ製品を用意できたか”がシェアに大きく影響した」(BCNの道越氏)という。

3Dテレビは40型以上で構成比23%に

 技術面で見ると,3次元(3D)映像を見られる「3Dテレビ」の販売構成比は,その機能が搭載されているものが多い40型以上の大型機種に限定すると,2010年12月の時点で23.1%に達したという。3D映像の視聴に必要な専用メガネを同梱しない「3Dレディー」モデルは15.5%,専用メガネを同梱する「全部入り」モデルが7.6%である。薄型テレビ市場全体でも,「販売構成比の5%(3Dレディー品は3.5%)を突破した」(BCNの道越氏)。

 一方,液晶テレビに対するLEDバックライトの搭載比率は,2010年8月に43.3%に達したが,「液晶テレビの価格下落もあり,CCFL(冷陰極蛍光管)バックライトとLEDバックライトの構成比は6対4の水準で横ばいで推移している」(BCNの道越氏)という。2010年12月におけるLEDバックライト品の構成比は44.1%だった。

東芝が3強に接近

 レコーダー市場は,2010年11月に台数は前年同月比で226.3%,金額は同202.6%を記録した。「2010年11月にテレビと同じく過去最高の伸びを記録した後,12月に前年割れした」(BCNの道越氏)という。2010年12月の調査結果では,台数が前年同月比で85%,金額が同75.6%となった。

 Blu-ray Disc(BD)レコーダーのメーカー別シェアで,「BDに本格参入した東芝が“3強”に急接近してきた」(BCNの道越氏)という。2010年12月におけるメーカー別台数シェアは,パナソニックが30.0%,ソニーが24.7%,シャープが23.9%,そして東芝が16.9%である。なお,BDの新規格「BDXL」に対応した機種は,2010年12月の時点で販売台数全体の51.1%に達したという。

ソニーのシェアが拡大

 デジタル・カメラは,台数が前年同月に対し増加し続けているが,金額が前年同月を下回る状況が続いている。「画素数やズーム倍率といった基本機能が成熟しており,市場としては利益が出にくい構造」(BCNの道越氏)といえる。

 2010年12月におけるメーカー別台数シェアは,キヤノンが22.4%,ソニーが16.4%,パナソニックが14.2%,カシオ計算機が12.0%,ニコンが10.5%である。一眼レフ機やミラーレス機などの「交換型」だけに限定すると,キヤノンが30.9%,ニコンが22.4%,ソニーが18.2%,パナソニックが12.1%となる。「ソニーのシェアが拡大したのは,ミラーレス機『NEX』シリーズの投入による。交換型カメラ市場の4割近くがミラーレス機となっている」(BCNの道越氏)という。

スマートフォンの構成比は半数近くに

 スマートフォンは,2010年12月に販売が急拡大し,携帯電話機全体に占める販売構成比は48.1%と半数近くに達した。通信事業者別の販売台数シェアは,NTTドコモが55%,ソフトバンクモバイルが25.6%,KDDIが17.0%,イー・モバイルが2.1%である。米Google社のOS「Android」を搭載したスマートフォンを市場に相次いで投入した結果,NTTドコモのシェアが拡大したといえる。
 
 なお,2010年12月におけるそれぞれの通信事業者が販売したスマートフォンの比率は,以下になるという。NTTドコモでは「Galaxy S」が35.8%,「LYNX 3D SH-03」が30.7%,「REGZA Phone T-01C」が20.5%,「Galaxy Tab」が7.3%,「Xperia SO-01B」が4.5%,ソフトバンクモバイルでは「iPhone4」が82.2%,「GALAPAGOS 003SH」が15.3%,KDDIでは「IS03」が94%とする。