図1
図1
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図2
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 パイオニアは「2011 International CES」で,低電力無線通信「ANT+」に対応した携帯端末を開発し,米Yellow Digital Health Lab, Inc.のブースに展示した(図1)。開発品を利用して,自転車に装着した速度計の情報などが見られる。その情報をサーバーに送信することで,Webサイトで自転車の走行情報を閲覧できる。Yellow Digital社は,こうした情報を収集し整理するプラットフォーム「eWellness」の開発を手掛けている。

 ANT+は,カナダDynastream Innovations Inc.の事業部門となるANT Wirelessが提案する低消費電力な近距離無線通信の仕様である。2.4GHz帯を使う。

 展示会場ではYellow Digital社がパイオニア製の携帯端末と,米Trek社製の自転車に搭載した速度計の間でデータをやり取りするデモンストレーションを披露した(図2)。携帯端末と速度計の間をANT+で通信させ,速度計の情報が携帯端末で見られる。携帯端末にはGPSが搭載されており,位置情報や速度情報などを携帯端末から3G通信を利用してYellow Digital社が管理するサーバーに送信する。その情報を加工し,パソコンやスマートフォンなどから地図上で自転車の走行地点などが閲覧できるようになる。

 パイオニアが開発した携帯端末にはNordic Semiconductor社製のANT+対応のトランシーバIC「nRF24AP2」および,米Qualcomm Inc.製の3G通信用ICが搭載されている。なお,nRF24AP2の最大電流は17mAで,平均電流は「μAオーダ」(Nordic社)だという。8個のセンサに接続可能である。

■変更履歴
当初,「カナダYellow Digital Health Lab, Inc.」としていましたが,正しくは「米Yellow Digital Health Lab, Inc.」です。またANT WirelessはDynastream社の事業部門となります。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。