図1 ソニーとControl4社が開発したHEMS
図1 ソニーとControl4社が開発したHEMS
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図2 ソニーとGreenwave社が開発したHEMS
図2 ソニーとGreenwave社が開発したHEMS
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 ソニーは「2011 International CES」において,米Control4社と米Greenwave社のシステムを用いて住宅内の家電機器やエネルギーを制御する「HEMS(home energy management system)」を実演した。複数の近距離無線通信を使い,テレビやオーディオ機器,照明機器などを制御することに加えて,これらの電力消費量の「見える化」を実現する。

 二つのシステムを実演した。一つはContro4社のシステムを利用したもので,テレビやオーディオ機器,照明,ノートパソコン,小型扇風機などを無線通信を利用して制御する(図1)。ディスプレイを備えた小型の通信端末「DASH」を使って小型扇風機をオン/オフすることや,オーディオ機器の音量を変えること,テレビ画面で電力消費量などを閲覧することなどができる。近距離無線通信としては無線LANと「ZigBee」を利用する。例えば,データの流れは以下のようになる。DASHから無線LANでホーム・ゲートウエイと接続し,そこからサーバーに信号を送信する。その後,サーバーからゲートウエイを介して,ZigBeeを利用して制御信号を小型扇風機に送信する。

 もう一つは,Greenwave社の電力計測機能と無線通信機能を備えた電源プラグを利用した(図2)。この電源コンセントで照明機器の電力消費量を測定し,その結果をテレビ画面やスマートフォンで閲覧できる。無線通信には「Z-Wave」を使う。データの流れは以下の通り。コンセントから電力消費量などのデータをホーム・ゲートウエイにZ-Waveで送信。ホーム・ゲートウエイからインターネットを介してサーバーにデータを集める。その解析結果をテレビや携帯電話機などで見られるようにする。なおテレビや携帯電話機から,電源コンセントを介して家電機器の電力供給を制御できる仕組みもある。