米NVIDIA Corp. CEO,PresidentのJen-Hsun Huang氏
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Mobile Computing時代に起こる変化
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LG社のスマートフォン「Optimus 2X」
LG社のスマートフォン「Optimus 2X」
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 「2011年,それはMobile Computingという新しい時代の始まりだ。現在は,パソコンが爆発的に普及し始めた1995年と同じ状況にある」。

 米NVIDIA Corp. CEO,PresidentのJen-Hsun Huang氏は2011年1月5日,報道機関向け発表会でこう切り出した。同氏は,インターネットにつながった携帯端末で消費者がさまざまなコンテンツを楽しむMobile Computingの時代がやってきており,これまでのパソコンを中心とした世界を大きく変える,と話した。例えば,パーソナル・コンピュータと言えばパソコンではなくスマートフォンなどの携帯端末を指すようになり,搭載されるプロセサのアーキテクチャの主流はX86からARMに移行する,という。

 そんなMobile Computing時代に向けたNVIDIA社の最新の成果として,韓国LG Electronics Inc.が開発したAndroid 2.2を搭載したスマートフォン「Optimus 2X」を紹介した。Optimus 2Xは,NVIDIA社が開発した,英ARM Ltd.の Cortex-A9コアを2つ搭載するSoC「Tegra 2」(動作周波数は1GHz)を採用した初のスマートフォンであるという。

 Tegra 2は,「ULP(超低消費電力)NVIDIA GeForce GPU」を内蔵しており,フルHD動画の再生やゲーム機と同等の本格的なゲームを楽しめるという。実際に説明会では,Optimus 2Xで再生するフルHD動画を,内蔵するHDMIコネクタを通してテレビに出力したり,パソコン,Playstation 2と並べて同じゲームを動作するデモを披露した。

 Huang氏は,米Microsoft Corp.がARMに対応した次世代Windowsを開発中との噂などを引き合いに出し,「ARMは今後2~3年で世界のスタンダードになる」と語った(後にMicrosoft社は,この噂が事実であることを基調講演で認め,開発状況を説明した)。同氏は最後に,ARM社と共同で「Project Denver」という開発プロジェクトを進めていることを明らかにした。ハイパフォーマンス・コンピューティング向けのARMコアである。NVIDIA社としては初めてのCPUコアの開発になる,としている。