電子情報技術産業協会(JEITA)は,12月15日に「電子情報産業の世界生産見通し(2011年)」を発表した。JEITAの会員各社に対して2010年10月~11月に実施したアンケート調査の結果を取りまとめたものだという。

 発表によれば,2009年に対前年比で15%減少した電子情報産業の世界生産額は,2010年には同10%伸びて208.8兆円になると見込まれる(図1)。2011年には同6%伸びて220.9兆円になる見通しだが,2008年実績の222.8兆円には及ばない。ここで電子情報産業とは,電子工業(ハードウェア=電子機器+電子部品・デバイス)とITソリューション・サービスの合計を言う。電子情報産業の世界生産のうち日系企業が担う部分の金額は,2009年には39.1兆円でシェアは20.5%だった。2010年は43.2兆円でシェアは20.7%と微増が見込まれる。そして2011年には45.1兆円,20.4%になる見通しとする。

図1●電子情報産業および電子工業の世界生産の見通し JEITAのデータ。
図1●電子情報産業および電子工業の世界生産の見通し
JEITAのデータ。
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変動が大きなハードウェア

 次に,電子工業(ハードウェア=電子機器+電子部品・デバイス)の世界生産を見る。電子情報産業全体に占める電子工業の比率は,2008年には74.1%だったが,2009年には70.9%に下がった。「100年に一度」と言われた不況の影響が,ハードウェア・サイドにより大きかったことが窺われる。2010年に同比率は72.4%に反発し,2011年も72.4%を維持する見通しである。

 電子工業のうち,生産額の変動が大きいのは電子部品・デバイスである(図2)。例えば,2010年の電子部品・デバイス生産額の対前年比伸び率は20%と高い見込みだが,2011年には16ポイントも下がって4%に縮小する見通し。一方,電子機器の同伸び率は2010年に8%,2011年に7%と,1ポイント下がるだけである。なお,電子工業全体の同伸び率は2010年に12%,2011年は6ポイント下がった6%になるとJEITAはいう。

図2●電子工業の世界生産の見通し JEITAのデータ。
図2●電子工業の世界生産の見通し
JEITAのデータ。
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