図1●会場のAustin Convention Centerの電子看板 筆者が撮影。
図1●会場のAustin Convention Centerの電子看板
筆者が撮影。
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図2●Austin Convention Centerの遠景 左手奥の高いビルはHilton Hotel。筆者が撮影。
図2●Austin Convention Centerの遠景
左手奥の高いビルはHilton Hotel。筆者が撮影。
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図3●ポスター発表 筆者が撮影。
図3●ポスター発表
筆者が撮影。
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 今年のITC(IEEE International Test Conference 2010)は,10月31日~11月5日に米国のテキサス州Austinで開催された(Tech-On!関連ページ1)。昨年に引き続いてAustinでの開催だったが(同2),同地の今年の気候が昨年の陽気から一転して,気温が冷え込んだ。しかし,ITCの会場では,往時には及ばないものの熱気が戻り,長期的な低迷から回復する兆しを垣間見ることができた。

 ITCはテスト技術をテーマにした世界最大の国際会議であり,論文発表をはじめとして種々のイベントを開催しており,世界各国からエンジニアや研究者が多数参加する(図1,図2)。今回は1970年の初回から数えて41回目で,半世紀に向けた最後の10年へと一歩を踏み出した。今年のITCの参加者数は昨年とほぼ同じの約1500名で,長期低落傾向に歯止めがかかった。なお日本からの参加者は約40名と,昨年の30名弱からみると大幅に増加した

採択論文数が50%増加

 ITCでは,論文発表の3日間を中心とする約1週間を「ITC Testweek」と呼び,さまざまなイベントを行っている。今年は,10月31日と11月1日の2日間に計10件のチュートリアルが開催されたのを皮切りに,メインとなる11月2日~4日には,25セッション81件の論文発表,6件のレクチャ・シリーズ,4セッションの事例発表,4件のエンベデッド・チュートリアル,5件のパネル討論,16件の企業プレゼンテーション,22件のポスター発表などがあった(図3)。

 そして11月4日と5日の2日間の合計で3件の併設ワークショップが開催されて,まさにテスト技術関連の行事が集中した。ITCへの論文投稿数は昨年の200件から239件へと約20%増加。採択論文も55件から81件と50%近く増加して,不況前のITC平均の規模(100件)に近づき,この面でも「底打ち」が感じられた。

 ITCの公式行事ではないが,興味深い関連イベントも開催された。例えば11月1日には米University of TexasのAustin校で「Industrial Test Challenges Meeting」(Tech-On!関連記事1)が,11月2日にはITC会場のAustin Convention Centerに隣接するHilton Hotelで米Synopsys, Inc.の「Test Special Interest Group Meeting」がそれぞれ開催された。