図1 ADSLモデム内蔵のフェムトセル基地局 右側は現在提供中の機器。
図1 ADSLモデム内蔵のフェムトセル基地局 右側は現在提供中の機器。
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図2 NECのフェムトセル基地局のラインナップ 右の二つの機器は2011年前半に展開する
図2 NECのフェムトセル基地局のラインナップ 右の二つの機器は2011年前半に展開する
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 NECは中国・香港で開催中の「Mobile Asia Congress 2010」(会期:2010年11月17日~18日)において,2011年前半に投入予定の超小型基地局「フェムトセル」の新型装置を展示している(図1)。

 フェムトセルは,家庭や店舗などに設置する超小型の携帯電話基地局。光ファイバやADSL回線などに接続して利用する。屋外の基地局への接続が減ることで,トラフィックを分散させる効果があるほか,帰宅の検知をトリガーにしたサービスや家庭内のAV機器などと携帯電話機/スマートフォンを連携したサービスを提供できる。

 今回,NECが展示したのは,ADSLのモデムを内蔵した装置(図2)。ブロードバンド・ルーターの機能を搭載し,無線LANやEtherrnetを介してインターネットとの共有ができる。これまでのモデルはこうした機能を持たず,他のブロードバンド・ルーターに接続して利用する必要があった。今回の機器には,VoIP(voice over IP)の機能も搭載しており,ブロードバンド回線を電話にも使える。移動通信の通信方式としては,下り最大14.4Mビット/秒のHSDPA,上り最大5.76Mビット/秒のHSUPAに対応する。

 また,同時期にオフィスや店舗などに対応する20dBmと高出力で最大16人が同時通話できる基地局を用意するという(従来型やADSL内蔵モデルは最大8回線,10dBm)。なお,LTE対応のフェムトセルについては「2011年後半から2012年ころに登場するのではないか」(説明員)としている。