国際電気通信連合(ITU)は2010年10月21日,ITUの無線部門であるITU-Rが「LTE(long term evolution)」と「モバイルWiMAX」の次世代規格が,ITUが定める第4世代移動通信(4G)に合致していると判断したと発表した。LTEとモバイルWiMAXの次世代版はそれぞれ,「LTE-Advanced」,「WirelessMAN-Advanced」と呼ばれるもの。いずれも,静止時で下り最大1Gビット/秒,高速移動時でも最大100Mビット/秒を狙う。

 LTE-Advancedは3GPPの「LTE Release 10」およびそれ以降で規格化され,WirelessMAN-Advancedは「IEEE802.16m」に仕様の一部が取り込まれる。ITUでは2002年からIMT-Advancedの要求仕様作りを開始してきた。2009年に技術提案を募集したところ,六つの提案が集まった。

 具体的には,米IEEE(文書番号5D/542),日本(5D/544),韓国TTA(5D/560)の3者がIEEE802.16技術を基にした案,3GPP(5D/564),日本(5D/545),中国(5D/580)の3者がLTE技術を基にした案を提出した。それらの提案を統合していった結果,今回の二つに収斂したという。2010年11月下旬にスイスのジュネーブで行われる会合で最終承認される見込み。