韓国開催のディスプレイ関連の国際会議「IMID(International Meeting on Information Display) 」と同時開催されている「韓国電子展KES(Korean Electronics Show)」について報告する。韓国電子展は日本の「CEATEC JAPAN」に相当するが,ディスプレイは韓国電子産業の花形であるため,「Samsung」と「LG」のブースのかなりの部分がディスプレイに割かれている。今回は,Samsungの展示について報告する。

3D+インタラクティブ機能テレビと,有機ELスマートフォンをアピール

 今回のSamsungのキーワードは「Smart TV」であった(図1)。また,このSmart TVを実現するために,ワールドワイドで様々な企業と幅広く連携していることを強調している(図2)。

 Samsungブース
図1 韓国電子展のSamsungブース

 Smart TVの広告
図2 SamsungのSmart TVの広告
ワールドワイドで様々な会社と幅広く連携していることを強調している。

 Smart TVの定義は,3次元(3D)映像表示とインタラクティブ機能を備えていることである。Samsungではすでに多くの3D製品を投入している(図3)。3Dマルチスクリーン・ディスプレイをブースの中心に据えて,3Dシアターや様々な3Dディスプレイを展示していた(図4)。技術的にはすべてアクティブ・シャッター方式であり,画質としては悪くはないが,明るさとクロストークの観点で不満が残る。画像処理技術を駆使して,2次元(2D)映像を3D表示化できるディスプレイも展示していた(図5)。

3Dテレビ
図3 Samsungの3Dテレビのラインアップ

 3Dマルチスクリーン
図4 Samsungブース正面の3Dマルチスクリーン・ディスプレイ
3D液晶パネルを16枚(縦,横ともに4枚)組み合わせたスクリーン。パネルのつなぎ目が気になるが,迫力は十分である。

 2D映像を変換
図5 2D映像を変換して3D表示するテレビ
画像処理で3D化した映像としては悪くないが,奥行き感がやや人工的で動きに多少の違和感があった。

 インタラクティブ機能の様々なデモも実施しており,スマートフォンを用いてテレビの機能を操作するデモが印象的であった。