ルネサス エレクトロニクスは,SoC事業で合併後の新たなパートナ・プログラムを立ち上げ,1回目のイベント「Renesas SoC Partners Forum 2010」を2010年10月7日に東京で開催した。合併に伴うパートナ・プログラムの統合という基本的な目的に加えて,顧客との連携も視野に入れるなど,新たな試みも開始する。パートナ・プログラムとは,製品を顧客に円滑に提供するために,関連するサプライヤが手を組む組織や活動を言う。

図1●Renesas SoC Partners Forum 2010で登壇したルネサスの茶木英明氏(SoC第二事業本部長) 同社が撮影。
図1●Renesas SoC Partners Forum 2010で登壇したルネサスの茶木英明氏(SoC第二事業本部長)
同社が撮影。
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図2●「新SoCパートナープログラム」の基本構成 ルネサスのデータ。
図2●「新SoCパートナープログラム」の基本構成
ルネサスのデータ。
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 同社のSoC事業は,二つの事業本部が担う。SoC第一事業本部(Tech-On!関連記事1)とSoC第二事業本部(同2)である。おおかまに言うと,前者は,産業系,少数/特定の顧客向け,ソフトウェアによるカスタマイズの幅が小さい,チップを扱う。一方,後者は,民生系,複数/多数の顧客向け,ソフトウェアによるカスタマイズの幅が大きいチップを扱っている。こうした製品の特性(顧客数が多く,ソフトウェアのカスタマイズが重要)から分かるように,事業を進める上でパートナが重要なのはSoC第二事業本部である。実際,今回の新たなパートナ・プログラムはSoC第二事業本部の管轄で,SoC第一事業本部には基本的に関係がないという(図1)。

名前はまだない

 SoC第二事業本部が扱うチップは,一部で「R三兄弟」と言われている,三つのSoCである。すなわち,モバイル(携帯電話機)向けSoCの「R-Mobile」,車載用情報システム(インフォテインメント)向けSoCの「R-Car」,家庭用マルチメディア機器向けSoCの「R-Home」である。いわゆる100日プロジェクトで,統合前の2社が扱っていた製品の統合や整理が行われたが,パートナ・プログラムも同じように整理統合された。新たなパートナ・プログラムの名称は現在検討中で,今のところ「新SoCパートナープログラム」とルネサスは呼んでいる。

 その「新SoCパートナープログラム」は統合前の三つのパートナ・プログラムを統合強化したものである(図2)。すなわち,旧ルネサス テクノロジの携帯電話機向けSoCの「SH-Mobileコンソーシアム」と同車載用情報システム向けSoCの「SH-Naviコンソーシアム」,そして旧NECエレクトロニクスの「platformOViA」である。参画企業数はそれぞれ,299社,79社,51社で,重複を除くと合計で380社という。