Jason Ziller氏
Jason Ziller氏
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 米Intel Corp.は,ノート・パソコンやネットブックに向けた光伝送のインタフェース「Light Peak」を開発中だ。将来はUSB 3.0やPCI Expressなど各種インタフェースの信号伝送を,Light Peakを物理層に使うことで,統合化することを想定する(Tech-On!の関連記事)。Light Peakのマーケティングを担当する,米Intel Corp.,Intel Architecture Group,Optical I/O Planning/Marketing,DirectorのJason Ziller氏に,話を聞いた。(聞き手は蓬田 宏樹=日経エレクトロニクス)

――Light Peakの開発の狙いとは何か?

Ziller氏 狙いは二つある。まず,高速でスケーラブルな外部インタフェースを実現したいということ。Light Peakは当初10Gビット/秒の伝送速度だが,その後100Gビット/秒程度の高速化も可能だ。こうした広帯域のインタフェースが,今後のためにどうしても必要だった。

 もう一つの理由は,インタフェースの統合化である。現行のノート・パソコンなどは,プロトコルの異なる各種の外部インタフェースに対応するため,コネクタやケーブルが数多く必要になる。一方で薄型ノート・パソコンなどでは,今後小型の機器が増えていく中で,コネクタの数を減らしたいという要求が強くなっている。Light Peakは理論的に,USB 3.0やDisplayPort,PCI Expressなど,プロトコルの異なる各種の信号伝送に利用できる。このためLight Peakを使えば,コネクタやケーブルの必要数を減らすことができ,機器の小型化への制約を無くすことができる。

――Light Peakのアプリケーションは何か?

Ziller氏 ノート・パソコンやタブレット端末における入出力インタフェースの拡張だ。例えば外付けストレージやディスプレイなどと,Light Peakを使って接続する。周辺機器との接続を,大幅に高速化できる。

――Light Peakは,周辺機器との接続など,外部インタフェース用途がメインなのか? それとも,ボード内やチップ間など,機器内インタフェースとしての活用もありうるのか?

Ziller氏 初期においては,まずは外部インタフェースを志向している。しかし将来的には,機器内部のアプリケーションで利用されることもあり得るだろう。

――Light Peak上でHDMIの信号伝送をすることも可能か?

Ziller氏 理論的にはどんなプロトコルでも伝送できる。いずれにしても,実際にアプリケーションとして実現するかどうかは,顧客の機器メーカー次第である。

――スマートフォンのような携帯機器にも,Light Peakが使われる可能性はあるか?

Ziller氏 将来的には十分可能性がある。初期のLight Peakはノート・パソコンなどに向けたもので,携帯電話機のような小型機器に最適化していない。しかし数年後には,そうした最適化を行うことで,スマートフォンのような小型機器でも利用できるようになるのではないか。