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東京理科大など10数大学、複合領域での知財群構築を推進

  • 丸山 正明=技術ジャーナリスト
  • 2010/09/09 20:01
  • 1/1ページ

 東京理科大学などの3大学と野村證券の4者は「複合領域『知財群』創造的活用ネットワーク構築」プロジェクトを本格稼働させ、各大学が持つ特許をパッケージ化した知財群を具体化する作業を11月までに本格化させる計画だ。複合領域の知財群の新規テーマとしては、例えばナノインプリント技術などを活用する「微細加工技術」では、「環境センサー」「バイオセンサー」の知財群構築の議論を進めている。基本的な運営手法は、9月29日から3日間東京都千代田区で開催される、大学見本市「イノベーション・ジャパン2010」で公開される予定だ。

 同プロジェクトは経済産業省の平成22年度「創造的産学連携体制整備事業補助金(創造的産学連携事業)」の1プロジェクトとして採択されたもの。各大学が保有する特許の実施権などを特定テーマごとに集約し、知財群としてパッケージ化することで、企業などが当該特許群を基に事業化しやすい知財基盤を構築することを目指す。同プロジェクトは幹事校として東京理科大、東京電機大学、信州大(契約上は信州TLO〔長野県上田市〕)の3大学と野村証券が中核となり、これに芝浦工業大学、筑波大学、千葉大学、電気通信大学、日本大学、静岡大学、早稲田大学、東京農工大学、明治大学、群馬大学、宇都宮大学、埼玉大学の12大学が協力する。

 知財群とは、ある製品・サービスを事業化するのに必要となる基本特許やその周辺特許などを組み合わせてパッケージ化させて特許を使いやすくしたもの。企業が、当該知財群の実施権ライセンスなどの技術移転を受けると、その分野での特許係争などの問題が起こる可能性が低減すると見込まれている。特許にあまり詳しくない中小企業などが、新事業を起こす際に、当該知財群の技術移転を受けると、事業化に必要な知財群を一括入手できるなどの利点がある。逆に言えば、複数の大学(技術移転機関のTLOを含む)がお互いの特許を持ち寄って、事業化に向けて強力な知財群を組めるかどうかがカギとなる。

 今年度の新規テーマとして検討中の知財群テーマは「微細加工技術」分野では環境センサーやバイオセンサー、「福祉・介護技術」分野では福祉・介護用ロボットや福祉・介護ロボット向けソフトウエア、「非接触エネルギー伝送・モニタリング」分野では医療機器や家電機器への適用技術などで、現在、ワーキンググループなどで競争力のある知財群を組めるかどうか議論を重ねている。

 東京理科大などの幹事校は、平成20年度(2008年度)から21年度(2009年度)までかけて知財群を構築する調査検討事業を実施し、2009年度に「赤外線による血糖値計測装置」「蛍光トモグラフィー装置」「光コヒーレンストモグラフィー装置」の三つの知財群を組んだ。今年度はこの三つの知財群を具体化する議論を進めている。同プロジェクトのプロデューサーを務める東京理科大の科学技術交流センター (承認TLO)の藤本隆センター長は、昨年度に企業の方々に一度提案した「昨年度からの継続案件の知財群をまず具体化したい」という。そして、「11月までに今年度の新規テーマ知財群を示し、企業の反応をみたい」という。

 現在、各大学が持つ特許を洗い出し、その当該特許を産み出した研究者を明らかにし、当該「特許群」の仮り組みを議論している。これから当該知財群の補強や補完の仕方を検討し、強い知財群を組み上げる計画だ。並行して、企業に知財群を提供する営業活動を進める。企業ニーズとのマッチングを図り、当該特許を産み出した教員・研究者が補強・補完の追加研究を実施できるかどうかを議論し、企業に当該特許群をライセンスするなどの技術移転や、補強・補完の共同研究体制を組んで、当該特許群を一層強くするなどの活動を進める。

 「複合領域『知財群』創造的活用ネットワーク構築」プロジェクトは3年度にわたって運営される計画。この3年間に各大学が持つ特許を有効に組み合わせて、強い特許群を構築するノウハウを蓄積する予定だ。これによって、現在、大学が保有する特許が有効に技術移転されていない現状を変える契機とする構えだ。

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