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ルネサスがNokia社のワイヤレス・モデム事業を約2億米ドルで買収,従業員1100人はルネサスへ

2010/07/06 22:54
竹居 智久=日経エレクトロニクス
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図 携帯電話機などのプラットフォームにみる,今回の買収分野。(ルネサス エレクトロニクスの資料)
図 携帯電話機などのプラットフォームにみる,今回の買収分野。(ルネサス エレクトロニクスの資料)
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 ルネサス エレクトロニクスとフィンランドNokia Corp.は2010年7月6日,Nokia社のワイヤレス・モデム部門をルネサスが約2億米ドルで買収する契約を締結した(発表資料)。ルネサスはこの買収により,Nokia社のワイヤレス・モデム部門が持つ設計資産や特許を取得する。フィンランドやインド,英国,デンマークなどに拠点がある同部門の従業員1100人もルネサスに移管する。

 Nokia社のワイヤレス・モデム部門は,GSMやHSPA,LTEといった各種の移動通信方式に向けたベースバンド処理のハードウエアおよびソフトウエアを開発している。Nokia社は半導体製造部門を持たないため,そのベースバンド処理ハードウエアのIPを含むLSIの製造を半導体メーカーに委託していた。ルネサスも,2009年にNokia社からベースバンド処理技術のライセンス供与を受け,HSPA+とLTEに対応するベースバンド処理LSIをNokia社と共同開発していた。今回の買収に至った背景には,こうした2社の協力関係や,パワー・アンプなどの携帯電話機向け半導体をルネサスがNokia社に納めていたという取引実績があるようだ。

 ルネサスが買収に踏み切ったのは,ベースバンド処理部分を自社で独自に持ちたかったからである。「モバイル向け半導体を提供する企業として,ルネサスが唯一持っていなかったのが(3G以降の)ベースバンド処理部分だった」(ルネサス エレクトロニクス 執行役員 兼 SoC第二事業本部長の茶木英明氏,)。

 ルネサスはGSM用のベースバンド処理技術を持っているが,3G以降はNTTドコモなどから供与されたベースバンド処理技術を携帯電話機向けチップセットに実装する形態だった。「ベースバンド処理は,きちんとつながるかどうかの検証の積み重ねがモノをいう世界。標準規格があるからといって簡単に参入できるわけではない。もし我々が1からベースバンド処理分野に参入しようとしたら,(買収金額である2億米ドルの)10倍くらいの費用がかかるのではないか。もちろん時間もかかってしまう」(茶木氏)。

「2015年にはモバイル事業を4倍の規模に」

 ルネサスは,Nokia社のベースバンド処理ハードウエアおよびソフトウエアを利用したチップセットを,主に海外企業に提供していく考えだ。まずはLTEと3G(W-CDMAやHSPAなど)に対応する先端のベースバンド処理LSIを投入し,徐々にミドルレンジのLSIなどに広げていく。「LTEを含めた複数方式に対応する先端のベースバンド処理LSIを提供できる企業は,米Qualcomm Inc.とスイスST-Ericsson社と我々の3社に限られる。少なくとも市場シェア35%は達成したい」(茶木氏)。

 ルネサス エレクトロニクスのモバイル事業の売上高は,2009年度は約1000億円だった。ベースバンド処理技術の取得を契機に事業を拡大させることを狙っており,「2015年度に4倍程度の売上高を達成したい」(茶木氏)とする。

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