図1 Moveである。先端部分がさまざまな色で光る。
図1 Moveである。先端部分がさまざまな色で光る。
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図2 矢を射るゲームを実演する説明員。
図2 矢を射るゲームを実演する説明員。
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図3 ストレートを放つ説明員。
図3 ストレートを放つ説明員。
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)はプレイステーション3(PS3)用の新コントローラ「PlayStation Move」を2010年9月に発売することを正式に発表した(Tech-On!の関連記事)。世界最大級のゲームの展示会「2010 Electronic Entertainment Expo(E3)」(6月15~17日,米国ロスアンゼルス開催)の同社のブースでは,Moveを実際に触ってゲームを楽しめる。そこで,さっそくMoveを体験しようと,筆者はブースに向かった。

 Moveは,先端に付いた丸いランプをさまざまな色で光らせて,カメラで捕らえた丸い光の大きさによって,テレビからMoveまでの距離を計測するようだ(図1)。加えて,Move本体に搭載されたジャイロ・センサーや加速度センサー,そして地磁気センサーから得られたデータと組み合わせて演算し,ユーザーの動きを検知する。なお,光る先端の部分はやわらかい素材でできている。人や物に衝突したときに,けがをしたり傷がついたりしないようにとの配慮である。

 SCEのブースに向かうと,さすがに人気で列ができている。待ち時間は15分ほどだという。試遊コーナーは複数の区切られた小部屋から構成されている。その小部屋ごとに4台程度のディスプレイが設置され,各ディスプレイの前でMoveを体験できる。多くのMoveが用意されていたため,実際には15分も待たずに順番が回ってきた。ディスプレイによって遊べるゲームが異なる。筆者がまず初めに体験できたのは,弓で矢を放ち,的に当てるゲームである。

まずはキャリブレーション


 そばにいる説明員から操作方法を聞く。両手にMoveのコントローラを持ち,あたかも弓を引くようなしぐさで操作する(図2)。筆者の場合,右利きのため,左手を前に出して弓本体を持ち,右手を胸の辺りに置いて,弓を引くような格好になる。そのレクチャーを受けた後,Moveのキャリブレーションを行う。ユーザーごとに体格などが異なるため,その動きを検知するために必要なものだと思われる。

 Moveを持ったまま,右手を下ろした状態で1回,次に右手を上げて1回,そして再び右手を下ろした状態で1回,最後に右手をベルトの位置辺りにもっていって1回ボタンを押す。これでキャリブレーションは終了。あっという間だった。

 これからがいよいよゲームの本番。画面に映るキャラクターは,矢が数本入った筒状のケースを背負っている。まずはここから弓を取る必要がある。そこで,右手を上げ,右肩があるところまで下ろして,弓をケースから取り出す。その後,その弓を射る姿勢をとり,的に矢が当たるように左手を動かしながら照準を合わせる。右手でMoveのボタンを押して矢を放つ。見事命中。実際に弓を引く際に力を必要とせず,その点は実際とは異なるが,それ以外は筆者がイメージした弓を引く動作に極めて近い動作で操作できた。

 説明員にお礼を言い,再び列の最後尾に並ぶ。次に体験したのは両手で殴り合う格闘ゲームだ。こちらも前述したようなキャリブレーションを行い,ゲームを開始する。

 両手を動かし,ジャブやストレート,フック,アッパーカットなどができる。もちろんガードも可能だ。興味深かったのはストレート(図3)。Moveを持った手を素早く動かしても,きちんと腕を伸ばさない限り,ストレートは出なかった。つまり,それだけ正確に動きを検知していると思われる。

 この格闘ゲーム,結構疲れる。強いストレートを打つには,それなりに腰を入れてパンチしなければならないからだ。これにより,リアルな体験ができるようになったが,運動不足気味の筆者には長時間やるのは少々大変そうだ。まあ,体が鍛えられていいのですが…