豊田中央研究所や,NEC,村田製作所など国内企業13社が,「エネルギーハーベスティングコンソーシアム」を設立した(発表資料)。エネルギー・ハーベスティングは,周囲の環境からエネルギーを“収穫”し,電力に変換する技術で,「環境発電技術」とも呼ばれる。国内企業が集結することで,エネルギー・ハーベスティング分野での早期の事業化を目指す。事務局はNTTデータ経営研究所が務め,引き続き参加企業を募っている。

 背景には,「欧米に比べて10年遅れている」(NTTデータ経営研究所)という,国内の環境発電技術の状況がある。欧米では,政策的支援にも支えられて,既に製品を開発・販売するベンチャー企業が数多くある。企業間の連携や標準化の動きも盛んで,日本への製品の流入も始まっている。一方の日本では,研究開発に取り組む大学や企業は依然として少なく,発電デバイスの試作品が発表される程度で,実用例も少ないのが現状である。

 そこで,同コンソーシアムでは,まずは先行する欧米での取り組みの情報収集・分析,メンバー間の情報交流,市場創造に向けた情報発信を中心に活動を始める。さらに,メンバー企業間での事業創出や政策提言,国内外の優れた技術を有する企業との連携,標準化の検討などを見据える。初年度の活動期間は2010年5月~2011年3月の予定。

 参加企業は以下のとおり(2010年5月14日現在)。
・アダマンド工業
・シチズン時計
・豊田中央研究所
・NEC
・パナソニック エレクトロニックデバイス
・富士通研究所
・富士フイルム
・ブラザー工業
・村田製作所
・山武
・ルネサス エレクトロニクス
・ローム
(以上,50音順)
・NTTデータ経営研究所(事務局)