ディスプレイ関連の標準化などを手掛けるVESA(Video Electronics Standards Association)は,ディスプレイ向け内部伝送技術「Internal DisplayPort(iDP)」をVESAの標準仕様として発行した。iDPは,デジタル・インタフェース規格「DisplayPort」の伝送技術をベースに,伊仏合弁STMicroelectronics社と韓国LG Display社が開発したもの。これまでVESA内で標準化が進められていた(Tech-On!関連記事)。

 iDPの特徴は,信号線一対当たりのデータ伝送速度が3.24Gビット/秒と速いこと。高速化することで,従来のLVDSに比べて信号線数を大幅に削減できる。これにより,スペース削減やコスト低減,電磁雑音の抑制を図れる。
 
 画像処理などを担うSoCと,液晶パネルのタイミング・コントローラ間のデータ伝送などにiDPを向ける。例えば,1080pで,フレーム周波数が240フレーム/秒,RGB各色10ビットの映像信号を伝送した場合,iDPならば17本の信号線で済むという。一方,従来のLVDSでは96本の信号線が必要だとする。

 なお,iDP対応LSIは既に製品化されており,例えばSTMicroelectronics社がサンプル出荷中である。