パナソニックは5月7日に2010~2012年度の中期経営計画を発表し,連結売上高10兆円,営業利益率5%以上などの目標を掲げた。2009年12月に子会社化した三洋電機との連携を強化し,太陽電池やLiイオン2次電池などのエネルギー関連事業を中心に経営資源を集中させる。

 電池関連やエネルギー管理などの「エナジーシステム」,エアコンや空気清浄機などの「冷熱コンディショニング」,薄型テレビやデジタル・カメラなどの「ネットワークAV」に加え,「セキュリティ」「ヘルスケア」「LED」の6分野を重点事業として設備投資や研究開発費を集中投下し,10兆円企業を目指す。2012年度までに6分野合計で1兆2000億円の売り上げ増を見込む。

 新たな中計期間の3年間で,設備投資額の54%,研究開発費の67%を6分野に振り分ける。特に,エナジーシステム分野には全設備投資額の3割近くを占める3000億円を投下。同分野の売上高を2012年度に2009年度比57%増の8500億円に高める。

 新興国を中心にした海外事業の拡大も目標に掲げた。新興国での売上高を3年間で3300億円積み増し,7700億円にする。2012年度の海外売上高比率は2009年度比7ポイント増の55%を目指す。

 記者会見した大坪文雄社長は,パナソニックグループ全体で3年間に3000億円規模で事業撤退する方針も示した。代表例として,一部の特殊な業務用製品を除き,三洋電機の白物家電事業をパナソニックに統合することを挙げた。ただ,開発や生産の体制は一緒にするものの,「三洋ブランドの製品を含めて開発する」(大坪社長)と,三洋ブランドは残す方向であることを示唆した。