米Gartnerは米国時間2010年4月14日、世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。それによると、2010年第1四半期の世界パソコン出荷台数(速報値)は8430万台と、前年同期と比べ27.4%増加し、Gartnerの従来予測である22%増を上回った。

 当期は、企業向け市場が緩やかに回復していることを示した。成熟市場ではあるが、買い替えが進んでいる。マクロ経済の展望が比較的明るいことから、米Microsoftの新OS「Windows 7」への買い替え需要が、2010年後半から2011年初頭にかけていっそう盛り上がるとGartnerはみている。

 メーカー首位の座は米Hewlett-Packard(HP)が維持した。しかし同社の出荷台数の伸び率は、業界平均を下回った。2位の台湾Acerは54.3%増、4位の中国Lenovo Group(聯想集団)は59.2%増、5位の台湾ASUSTeK Computerは114.8%増とそれぞれ大幅に成長した。

 地域別で見ると、欧州/中東/アフリカ(EMEA)の出荷台数は2710万台(前年同期比 24.8%増)で市場全体をけん引した。日本を除くアジア太平洋地域は2650万台(同36.9%増)だった。米国は1740万台(同20.2%増)、中南米は720万台(同35.4%増)、日本は430万台(同14.7%増)と、すべての地域が2ケタの成長率を記録した。しかし米国と中南米はGartnerの予測をわずかに下回った。

表1●2010年第1四半期のメーカー別パソコン出荷台数(速報値)(単位:千台)
メーカー 2010年Q1 2009年Q1 伸び率(%)
出荷台数
(千台)
市場シェア
(%)
出荷台数
(千台)
市場シェア
(%)
HP 15,319 18.2 12,773 19.3 19.9
Acer 12,003 14.2 7,779 11.7 54.3
Dell 10,209 12.1 8,406 12.7 21.4
Lenovo 6,977 8.3 4,384 6.6 59.2
ASUS 4,647 5.5 2,164 3.3 114.8
東芝 4,623 5.5 3,404 5.1 35.8
その他 30,565 36.2 27,309 41.2 11.9
合計 84,344 100.0 66,220 100.0 27.4
出典:Gartner

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