フジコムが開発したLED電球。発表会では,Z-Wave対応リモコンで調光するデモを見せた
フジコムが開発したLED電球。発表会では,Z-Wave対応リモコンで調光するデモを見せた
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4色のLEDを搭載した電球の試作品
4色のLEDを搭載した電球の試作品
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 半導体検査装置などを開発するフジコム(東京都八王子市)は,家電の遠隔操作などに使う近距離無線通信規格「Z-Wave」を搭載したLED電球を開発した。同規格対応のリモコンを使うことで,複数のLED電球のオン・オフや明るさ,色を個別に調節できる。Z-Wave対応のLED電球は業界初という。

 まず,Z-Wave対応機器が既に商品化されている欧米を中心に市場を開拓する。2010年9月に月産1万個で量産を始め,2011年に10億円の売り上げを目指す。

 2010年3月30日に開いた製品発表会で開発品を披露した。名称は「LeDenQ(ル・電球)」。第一弾として,光源に白色LEDと赤色LEDを混載したタイプを用意した。白色と赤色のLEDのそれぞれを個別に輝度制御することで,照明の明るさや色調を変更できる。家庭や飲食店,イベント会場などで部屋の雰囲気を変えるなどの用途を見込む。

 口金はE26形で,全光束の明るさは380~450lm。消費電力は5.8~6.9W。価格は未定だが,赤外線通信を搭載したLED電球と競合できる8000円程度を想定している。このほか,赤色・青色・緑色・アンバーの4色のLEDを搭載した試作品も見せた。

 Z-Waveは900MHz帯を使う無線通信技術で,デンマークのZensys社(2008年に米Sigma Designs社が買収)が開発した。「2.4GHz帯を使う無線LANやZigBeeと干渉する心配がなく,欧米で対応品の製品化が進んでいる利点がある」(フジコム)という。

 フジコムは今後,Z-Wave対応のゲートウエイ機器などとの連携も進め,インターネット経由の照明制御や電力モニタリングなどへの対応技術を開発する計画だ。