ZigBee Smart Energyの認証を取得したIHD(in home display)の例。電力の利用状況や料金などを表示する。Aztech Associates社の製品である。
ZigBee Smart Energyの認証を取得したIHD(in home display)の例。電力の利用状況や料金などを表示する。Aztech Associates社の製品である。
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 ZigBeeの業界団体であるZigBee Allianceと,無線LANの業界団体であるWi-Fi Allianceは,2010年3月17日,スマートグリッド分野におけるZigBeeと無線LANの共用に向けて連携することを明らかにした(ニュースリリース)。

 ZigBeeで規定されている,スマートグリッド向けのアプリケーション・プロファイル仕様「ZigBee Smart Energy 2.0」を,無線LANを物理層に使ったネットワークでも利用可能にする。これにより,同一のアプリケーションを,ZigBeeと無線LANの異なるネットワークで実行できるようにする。

 ZigBee Smart Energy 2.0は,スマートメーターや家庭内の機器を無線で接続し,消費電力削減の目的で遠隔制御したり,利用状況を監視したりするための各種制御手順が盛り込まれている。省エネルギーに向いたHAN(home area network)の仕様として,米エネルギー省(DOE)およびNISTがスマートグリッド向け標準規格の一つに位置づけていた。今回,Wi-Fi Allianceが無線LANでZigBee Smart Energy 2.0の活用を目指したのも,同仕様がスマートグリッド分野の標準規格になっていることを意識したものとみられる。

 制御対象となる機器としては,スマートメーターのほか,温度計,家庭のエンターテインメント機器,パソコン,自動車なども挙げている。