「Bitfone」の元CEOが設立したベンチャー企業,オープンソースやオープン・ハードウエアのHAN技術を公開
米国のベンチャー企業People Power Co.は,「SuRF (Sensor Ultra Radio Frequency) Developer’s Kit for OSHAN (Open Source Home Area Network)」の開発キットを公開した(PDF形式の発表資料)。このキットはPeople Power社が開発した,OSHANと呼ぶ家庭内のエネルギー消費を管理するHAN(home area network)に特化したもの。無線によるセンサ・ネットワークを利用したソフトウエア・アプリケーションの開発に向いているという。
People Power社は,無線経由で携帯端末のソフトウエアを更新する技術を手掛けた米Bitfone Corp.(Tech-On!関連記事)の元CEOであるGene Wang氏が設立した。Wang氏は現在,People Power社のCEO and Chairmanを務める。People Power社を設立した理由について同氏は,省エネルギー化に向けたOSHANの可能性を踏まえて,「私の子供たちは,気候変動による世界の将来を心配している。People Power社の設立によって気候変動対策に貢献できるとともに,巨大な市場で成功する可能性もあるだろう」と語った。People Power社は,米DOE(エネルギー省)から約15万米ドルの補助金や米国のベンチャー・キャピタルNew Cycle Capital LLCなどから投資(投資金額は未公開)を受けている。
900MHz帯のHAN技術
OSHANは,900MHz帯で動作するセンサ・ネットワーク向けソフトウエア技術「TinyOS」に基づいたソフトウエア・プラットフォームである。同ソフトウエアはBSD型ライセンスでソース・コードを公開している。IEEE802.15.4準拠のIPv6技術「6LoWPAN」に対応する。People Power社はOSHANの特徴として,通常のTiny OSに比べてパフォーマンスが高いことやメモリの要求量が少ないことを強調する。
900MHz帯を選択した理由としてPeople Power社は,同周波数の優れた伝播特性を挙げる。SuRFの開発キットに含まれる基板(PDF形式の仕様書)を用いて伝送テストをしたところ,建物内の端末と建物外のセンサとの通信距離は365m以上にもなったという。「こうした技術はリピータを不要とし,低価格のHANを導入できるようになる」(同社)。
People Power社によると,SuRFの開発キットは米Texas Instruments Inc.のSoC「CC430」を採用する最初の製品になるという。CC430は900MHz帯のRF回路とマイクロコントローラで構成するSoCであり,消費電力の低さを特徴とする。OSHANとSuRF用の基板を組み合わせ,2個の単4電池で1年間を動作させることを狙っている。SuRF用の基板では,BOMや回路などの情報も公開している。
SuRFの開発キットには基板を2枚含んでおり,149.95米ドルで販売する。出荷は2010年4月から始める予定。People Power社は,SuRFの開発キットを使ってアプリケーションの動作をテストするために,インターネットからアクセス可能のソフトウエア・テスト環境「TUnit」も用意している。さらに同社は,SuRF開発キットで開発した装置に向けたコンテストも実施する。締め切りは2010年9月15日。同社はコンテストの勝者に対し,People Power社の株式を5000枚,5000米ドル,無料のSuRF基板の1枚を提供する予定。













