DOEのMatt Rogers氏
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DOEのクリーン・エネルギー分野の資金の分析。単位は100万米ドル
DOEのクリーン・エネルギー分野の資金の分析。単位は100万米ドル
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 「米連邦政府は合計約800億米ドルの資金をクリーン・エネルギー関連技術に投入している。総額2000億米ドルのプロジェクトを支援する効果を得ている」(米エネルギー省(DOE),Senior Advisor to the Secretary for Recovery Act ImplementationのMatt Rogers氏)。

 DOE傘下の組織Advanced Research Projects Agency-Energy(ARPA-E)が2009年3月1日~3日に米ワシントンDC市で開催したイベント「ARPA-E Energy Innovation Summit」(Tech-On!関連記事)で壇上に上がったRogers氏は,2009年2月時点のARRAの資金投入の状況を経過報告した。上記の数字は, DOEが2009年に計上したエネルギー系の技術開発に向けた約166億米ドルの予算や「American Recovery and Reinvestment Act(ARRA:米国再生・再投資法)」によるクリーン・エネルギー分野に向けた367億米ドルの予算,米Department of Treasury(米財務省)からの100億米ドルの税額控除や補助金などを合計したもの。

 Rogers氏は,総額367億米ドルのARRAのクリーン・エネルギー関連予算のうち,315億ドル分の投下先が既に選択済みと述べた。そのうち255億ドル分の資金は,既に投入されているという。具体的には,交通機関の電動化などに120社,34億米ドル以上,バイオ燃料には,6億米ドルを投入して19個の精油所を設立する。再生可能エネルギー分野向けには,230億米ドル以上の予算を約300社に投入し,この結果,米国の再生可能エネルギー能力が現在の2倍に拡大すると予測する。また,エネルギー効率向上向けの技術の商用化に,110億米ドルを投入する。

 この一方でRogers氏は,ARRAがクリーン・エネルギー分野の融資申し込み案件の8割を不採用にしたと明らかにした。この中には優秀な案件も含まれており,こうした案件については,民間金融機関からの投資を推進する対策を検討中だという。

 「クリーン・エネルギー関連で技術競争を起きている。我々はアナリストなどの予測より速く,かつ低価格に,米国のクリーン・エネルギー対策が実現できるという自信を持っている」(Rogers氏)。