図1 NECの開発したLTE基地局
図1 NECの開発したLTE基地局
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図2 京セラの開発したLTE基地局。体積は左が12L,右が20L
図2 京セラの開発したLTE基地局。体積は左が12L,右が20L
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図3 京セラが実施した無線伝送のデモ
図3 京セラが実施した無線伝送のデモ
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 NECと京セラはそれぞれ,3.9世代移動体通信システム「LTE(long term evolution)」向けに,体積が12Lと小さい小型(マイクロセル型)の無線基地局を開発し,2010年2月15~18日にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2010」で披露した。
 
 NECが開発したLTE基地局は,制御機能であるREC(Radio Equipment Controller)と送信アンプ機能のRE(Radio Equipment)を一体化したもの。共に外形寸法が420mm×230mm×130mm,重さが12kgである。消費電力は125W以下。「基地局のカバー範囲は2km程度を想定している。事業者の試験用や商業施設への導入を計画する。要望があれば,すぐにでも対応していきたい」(同社の説明員)という。

 京セラの開発品は,外形寸法や重さ,消費電力はNECの開発品と同一である。京セラは開発品のカバー範囲として,半径500m程度を想定する。「マクロセル型(大型)のLTE基地局が設置された後に,境界部分の電波状況を改善するために使用したい。もちろん,小規模施設での導入もありえる」(同社の説明員)という。なお,京セラは体積が20LのLTE基地局を出展しており,1.5Gz帯を用いた無線伝送のデモを実施していた。下りの最大データ伝送速度は50Mビット/秒だった。

 なお,NECと京セラは今回のLTE基地局を,共同開発したかどうかについては明らかにしていない。