米Googleの書籍全文検索サービス「Google Book Search(Google Books)」をめぐる集団訴訟で、Googleが作成した和解修正案について、米司法省は米国時間2010年2月4日、懸念を示す意見書をニューヨーク連邦地裁に提出したことを明らかにした。

 司法省は意見書の中で、「修正案には一定の改善がみられるものの、いまだ原案と同じ問題を抱えている」と指摘し、「Googleに著しく有利な立場がもたらされることになり、市場競争が阻害される恐れがある」と結論づけた。

 司法省がGoogleの書籍デジタル化をめぐる和解案に意見書を提出したのはこれが2度目。同省は2009年9月18日、Googleと作家団体が裁判所に提出した原案に対して、将来的なライセンスに関する制限(限定)条項を設けること、集団訴訟の当事者間における将来的な紛争の可能性を取り除くこと、無名の著作権者を保護すると同時に、外国の作家や出版社の懸念解消に取り組むこと、などを提案していた。

 Googleと作家団体などはその後、対象を米国、オーストラリア、カナダ、英国の4カ国で出版された書籍に限定することなどを盛り込んだ修正案を提出した(関連記事:「Google Book Search」巡る修正和解案,対象を英語圏4カ国に限定)。

 しかし司法省はその修正案について、「集団訴訟という仕組みを利用して今後のビジネス展開を狙ったもの。当該紛争の本題から大きくそれている」と批判。そのうえで、今後も当事者やほかの利害関係者とともに解決に向け取り組んでいくとし、この問題に積極的に関与する姿勢を示した。

[発表資料へ]