海外メーカーを中心に2010年の設備投資額が発表になり,国内メーカーも2009年度第3四半期決算発表に伴って2010年度の投資額が見えてきた。この結果,LSIメーカーの設備投資額は,上位・中位・下位の3グループへの階層化が一段と進む様相が見えてきた。品種や業態で最大手が設備投資でも上位グループを形成し,同じく2番手が中位グループ。それ以外が下位グループを作る。それぞれのグループ間では設備投資規模は数倍の差が付くようになった。

 設備投資上位グループは,それぞれの品種や業態でトップを占める3社である。マイクロプロセサ最大手の米Intel Corp.が47億~49億米ドル,NAND型フラッシュ・メモリーやDRAMで最大手の韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が5兆5000億ウォン(1米ドル=1150ウォン換算で約48億米ドル),Siファウンドリー最大手の台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)が48億米ドルと,ほぼ同額になった。

 これに続く中位グループが各分野の2番手メーカーである。DRAM2位の韓国Hynix Semiconductor Inc.は18億~20億米ドルを投資する可能性が高い。NAND2番手の東芝も,2010年度は「市況を見ながら投資する」(同社)としており,NAND需給が堅調なことから2009年度の900億円に対して増額になる方向である。Siファウンドリーで2番手を争う2社では,台湾United Microelectronics Corp.(UMC)が12億~15億米ドルを投資するとしている。一方,米GLOBALFOUNDRIES Inc.も同水準を投資する公算が強い。この中位グループの設備投資額は十数億米ドル程度と,上位グループの1/3前後になる。