台湾AU Optronics Corp.(AUO)は,太陽電池向けウエハなどを製造するエム・セテックへ150億円を追加投資することを決めた(ニュース・リリース)。AUOは2009年6月に,エム・セテックに対して1億2500万米ドルを出資して株式の過半を取得済みである。今回の150億円の追加投資によって,多結晶Siを製造する相馬市(福島県)の第二工場の建設を完了できる。第二工場が稼働すれば,相馬工場の多結晶Siの生産能力は,3000トン/年から7000トン/年に高まるとする。

 AUOは,「Green SELECT」と呼ぶビジョンのもとに,太陽電池やエネルギー・サービス,照明,電子ペーパー,クルマ,TFT液晶パネルといった環境デバイス6分野に注力する方針を掲げている(関連記事)。このうち太陽電池については,TFT液晶と共通の製造技術を使える薄膜Si型だけでなく,結晶Si型や薄膜化合物型の開発も進める考え。エム・セテックへの今回の投資は,そうした戦略の一環である。