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HOMEスキルアップマネジメント > 日本版フェアユース導入は審議を継続,文化庁の審議会

日本版フェアユース導入は審議を継続,文化庁の審議会

  • 山田 剛良=日経エレクトロニクス
  • 2010/01/20 16:29
  • 1/1ページ

 2010年1月20日,文部科学大臣の諮問機関である文化審議会 著作権分科会 法制問題小委員会の今期最後の会合が行われ,同小委の三つのワーキング・チーム(WT)による検討結果が報告された。日本版フェアユースの導入を含め,今期の同小委の議題は来期に継続審議されることが決まった。同小委は1月27日に開かれる文化審議会著作権分科会にて,今期の議事経過を報告するが,小委としての報告書は作成しない。

 今回の会合で,いわゆる「日本版フェアユース」の導入に関して設置された「権利制限一般規定WT」は,「少数意見を含め,出された意見を集約し,今後の議論の叩き台を作る」(小委の主査で同WT座長の一橋大学 大学院 国際企業戦略研究科 教授の土肥一史氏)という目的でまとめた120ページに及ぶ報告書を提出した。WTの報告書は「結論を出さない」方針になっており,日本版フェアユース導入に関する最終的な結論は来期の同小委での議論に委ねられる。

 権利制限一般規定WTの報告書では,例えば権利制限の一般規定を導入する必要性について,
・導入を根拠付ける立法事実があるのかという点につき十分検討すべき
・個別規定の改正に要する審議期間と最高裁判決までの審理期間に特段の差はない
・一般規定導入による経済効果は確認できない
・米国型フェアユース規定を導入していない国で,導入を検討している国はない
といったように,導入に関して比較的消極的な意見が並ぶ。仮に導入する場合を想定した検討でも,「写真や映像の撮影に伴ういわゆる『写り込み』」など,限定的な状況のみを対象とするべきという意見が大勢を占めた。

 今回の会合ではこのほか,契約・利用WTによる「ネット上の複数者による創作に係わる課題」の検討や,司法救済WTによる「『間接侵害』に係わる課題」の検討に関しても報告された。いずれも,来期の同小委で継続審議される。

 なお,議事の最後に委員の一人である明治大学 教授,東京大学 名誉教授で弁護士の中山信弘氏から,「新聞などで報道されたように,マスコミや他の委員会の委員などに今回の報告内容が事前に伝わっている。特にWTは検討自体が非公開で行われているのだから,事務局は情報管理を徹底していただきたい」との苦言があった。

▼今回の配付資料(いずれもPDF)
・配付資料1 契約・利用WT検討経過報告(3ページ,319KB)
・配付資料2 司法救済WT検討経過報告(3ページ,328KB)
・配付資料3-1 権利制限の一般規定WT報告書概要(5ページ,737KB)
・配付資料3-2 権利制限の一般規定WT報告書(62ページ,9.7MB)

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