米Amazon.comは米国時間2010年1月15日、ユーザーが自分の著作物を自ら電子出版できるサービス「Kindle Digital Text Platform(DTP)」を、米国以外でも提供すると発表した。新たに英国、ドイツ、フランスのユーザーが、同サービスを利用し、Amazonサイトで電子書籍を販売できるようになった。

 Kindle DTPは2007年11月、電子書籍リーダー「Kindle」の発売と同時に提供し始めたセルフ・サービス型の電子出版サービス。誰でも無料で利用できる。ユーザーはパソコンで同サービスのWebサイトにアクセスし、必要事項を入力後、コンテンツをアップロードする。

 アップロードしたコンテンツはKindle用の書籍としてECサイト内の「Kindle Store」で販売され、コンテンツが売れると販売価格の35%がユーザーに支払われる。価格は0.99ドルから200ドルの範囲でユーザーが自由に設定できるが、サイズが3Mバイトを超えるコンテンツの場合は、1.99ドル以上に、10Mバイト以上では2.99ドル以上に設定しなければならない。

 Amazonは同時に、Kindle DTPを英語に加え、ドイツ語とフランス語にも対応させたことを発表した。このほかの言語への対応も進めており、数カ月後にサービスを開始するとしている。

 Kindle DTPは、一般ユーザーのほか、出版社や作家といったプロのコンテンツ・ホルダーも利用できる。すでに出版している紙の書籍も、同サービスを利用してデジタル書籍として販売できる。Amazonは、Kindle Storeを利用することで販路が広がるほか、マーケティングや受注、顧客サポートといった業務が省けると、説明している。

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