【EDSFプレ】「パワー・高耐圧系アナログ回路」を熱く議論する
半導体産業界で,パワー・高耐圧系アナログ回路に強い関心が持たれる ようになった。微細化に頼らずとも,デバイスと回路のバランスのとれた技術開発によって健全な成長が期待できたり,アプリケーションが多岐にわたっていながら勝者が決まっていない分野が多いためである。
現在,「アナログが強い」と言われている日本および海外の半導体メーカーの多くは,パワー・マネージメントや電源回路に注力している。また,大学の電気電子工学科の新入生に学びたいことや研究したいことを尋ねると,「IT,コンピュータ,情報通信」に加えて,「CO2削減技術や電気自動車,パワー・エレクトロニクス」のキーワードを答える例が増えてきた。すなわち,若者が電子機器「機能」の技術と共に,「環境」の技術に関心が強くなってきていることがうかがえる。
このような産業界や学生の間での高い関心にもかかわらず,これまでアナログ回路系の学会や展示会でも,パワーや高耐圧回路をテーマにした本格的な討論はあまり行われていなかった。そこで,JEITA EDA技術専門委員会では,2010年1月28日と29日にパシフィコ横浜で開催のEDSFair 2010において,特設ステージ企画の一つとしてパワー・高耐圧系アナログ回路をテーマにしたセッションを設けた(29日の15:30-17:00pmに開催)。
携帯電話やノートPCを題材に議論を進める
このセッションでは,携帯電話機やノートPC,および携帯電話の基地局に用いる電源とパワー・アンプ系回路を題材にして,高効率な回路を追求する立場から,現状の課題や今後の技術革新を紹介する。そして,回路・デバイス設計技術およびEDA技術を使って,どのように課題を克服していくのかを議論していく。
講師は5人が登壇する。講演者名と講演のポイントは以下の通りである。日立製作所の恩田謙一氏(日立研究所長付)は,マイクロプロセサ電源回路用パワーMOSと回路,実装,シミュレーション技術を語る。旭化成東光パワーデバイスの松田順一氏(技術統括)は,携帯電話機やノートPC向けの液晶パネルLEDバックライト用ドライバーIC等を題材に,「パワー・マネージメント」や「携帯機器の電源回路」,「中高耐圧デバイス」の技術を紹介する。
住友電気工業の中島成氏(伝送デバイス研究所長)は,基地局用パワー・アンプの回路方式が高効率化するというトレンドを背景にして,デバイスに対する要求を明らかにする。その中で,これからの高効率化に適したデバイスとしてGaN HEMTも紹介する予定。日本ケイデンス・デザイン・システムズ社の佐藤伸久氏(テクニカルフィールドオペレーション本部 セールスAEディレクター)は,DC-DCコンバータの高速シミュレーション手法や高耐圧コンパクト・モデルの組み込み手法,パワー回路の太幅配線寄生素子抽出ツールを使った設計手法の提案を行う。
そして,米Mentor Graphics Corp.のErnie Koeroghlian氏(Product Architect, DSM CICD R&D)は,SiP開発における実装時寄生インダクタンス・容量や熱の影響を考慮した検証/シミュレーション環境の必要性を示し,それに対応可能なEDA環境を提案する予定である。なお,このセッションの司会は群馬大学の小林春夫氏(大学院工学研究科教授)が務める。このセッションには,日英同時通訳が付く。












