AZ91系板材のムク材
AZ91系板材のムク材
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 住友電気工業は2010年1月14日,AZ91系のマグネシウム合金を用いた板材の開発および量産化に成功したことを明らかにした。AZ91系は板材として一般的なAZ31系よりも強度や耐食性に優れることから,同社は今後,自動車や携帯型機器への普及を狙う。

 AZ91系マグネ合金板材の量産化は,独自の鋳造・圧延加工によって実現したという。AZ91系は,アルミニウムを9%,亜鉛を1%含んだ合金で,強度や耐食性に優れるものの,一般には塑性加工には適さないことから,これまでは鋳造・ダイカスト用として使われていた。同社は,AZ91系板材の製造法について詳細を明らかにしていないが,AZ31系板材よりも簡素な製造プロセスを確立した。さらに,プレス加工性もAZ31系板材と同等レベルだという。

 同社は,AZ91系板材によって,これまで板材の使用が困難だったマグネ合金製の構造部材などにおいて,今後は板材への転換が可能になると見ている。自動車/エレクトロニクス/医療・福祉/ロボット/鉄道車両/航空機など,幅広い分野で可能性を検討していく。

板材を加工したもの
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物性の比較
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各種材料の物性一覧
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