Lenovo社のスマートブック「Skylight」
Lenovo社のスマートブック「Skylight」
[画像のクリックで拡大表示]

 中国Lenovo Group社は,「2010 International CES」でARMコアをベースにした米Qualcomm社製マイクロプロセサ「Snapdragon」を搭載した小型パソコンを公開した。製品名は「Lenovo Skylight」。Qualcomm社などが推進する「スマートブック」という新しいカテゴリの製品である。

 Snapdragonに内蔵の3GやWiFiによる無線通信機能を標準搭載している。インターネットへの常時接続に加えて,ネットブックよりも軽量,低価格,軽快な使い勝手を特徴としている。「Webサイトにアクセスするのにスマートフォンでは小さい。かと言って,ネットブックでは常時携帯するには重く,起動も遅い。そんな中間のニーズを満たす製品」(Lenovo社)としている。

 Skylightの主な仕様は以下の通り。10.1インチの液晶パネル(解像度1280×768ドット),フル・キーボード,16Gバイトのフラッシュ・メモリを基板上に搭載(8Gバイトはシステム領域)。加えて4GバイトのUSBメモリが標準で付く。SDメモリーカード・スロットやminiHDMI端子などを装備している。OSは中国ThunderSoft社が提供するLinux。Webコンテンツをウィジェットとして画面上に並べて表示する独自のユーザー・インタフェースはLenovo社が開発した。音楽や映画のダウンロードなどに対応した,18種を超えるウィジェットがプリインストールされている。

 重さは約2ポンド(900g)。厚さは17mm。バッテリー駆動時間は3Gを常時オンにした状態で約10時間としている。電源オフからの起動時間は,スマートフォンと同等の約30秒だという。

 米国での発売は2010年4月。販売経路は量販店および,通信事業者の米AT&T社が販売する予定という。価格は前者の場合が499米ドル,後者は未定としている。スマートブックに対しては,「ネットブックとの差異をユーザーに認知してもらうのが難しいのでは」という指摘も多い。こうした壁を乗り越えて新たな製品ジャンルを確立できるのか,新たな挑戦が始まる。