HTC社製の「Nexus One」携帯電話機。ディスプレイは480×800画素の3.7型有機EL。1GHzで動作可能の米Qualcomm社製マイクロプロセサ「Snapdragon 3G QSD8250」を搭載する。カメラは500万画素。厚さは11.5mm,重さは130g。
HTC社製の「Nexus One」携帯電話機。ディスプレイは480×800画素の3.7型有機EL。1GHzで動作可能の米Qualcomm社製マイクロプロセサ「Snapdragon 3G QSD8250」を搭載する。カメラは500万画素。厚さは11.5mm,重さは130g。
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 米Google Inc.は同社のスマートフォン環境の最新版「Android 2.1」を搭載した携帯電話機「Nexus One」を発表した。同時に開設した自社運営のオンライン店舗経由で直販する(発表資料公式ブログ記事)。携帯電話事業者との契約なしの状態での販売価格は529米ドルである。Nexus OneはGoogle社が自社ブランドで販売する初めての携帯電話機で,設計と製造は台湾High Tech Computer Corp.(HTC)が担当した。

 Google社はNexus Oneを米国向けに2010年1月5日から販売する。これに加え,英国やシンガポール,香港でも試験的に販売する予定だ。米国ではドイツDeutsche Telekomの米国法人T-Mobile USAとの2年契約に加えた形でも販売され,その場合の価格は179米ドルになる。Google社は今後,米Motorola, Inc.などHTC社以外の携帯電話機の販売も手掛ける予定で,2010年春めどに,米Verizon Wireless社や英Vodafone Group Plcといった携帯電話事業者との契約も取り扱う。

 今回,携帯電話機のオンライン販売を自ら手掛ける決定についてGoogle社は,主に二つの理由を挙げた。まず,同社が多数のユーザーを抱えていることによって,オンライン販売の効率性が高まる点である。同社,Engineering,Vice PresidentのAndy Rubin氏は,「販売をオンラインに限定し,Web中心のマーケティングを行うことで,間接費を抑えられる。効率化はいずれ,端末やサービスの価格に反映できると思う」とする。

 もう一つの理由は,同社がオンライン販売を,最新版のAndroidを搭載した端末をできるだけ迅速に市場に投入する手法と見ている点だ。このことは,同社サイト経由の販売が,同社が認めた特定の端末に限定され,Androidを搭載した全ての端末は対象にしない可能性を示唆する。

Android 2.1は3次元表示と音声認識を強化

 Nexus Oneが搭載するAndroid 2.1では,3次元グラフィックス機能と音声認識機能が強化された。音声認識入力は,すべてのテキスト入力フィールドで利用できる。Google社は発表会でNexus Oneを使い,「Google Earth」の3次元表示をストレスなく表示する様子や,発表済みの音声認識対応の地図アプリケーション「Google Maps Navigation」で,音声を使って目的地を入力したり,電子メールを音声で作成したりする実演を見せた。