BMW社、「5シリーズグランツーリスモ」に新開発の直6ターボエンジン
ドイツBMW社の日本法人ビー・エム・ダブリューは「5シリーズグランツーリスモ」に新開発の6気筒ターボエンジンを搭載したことを明らかにした。
従来、BMW社は連続可変バルブリフト機構の「バルブトロニック」を採用した自然吸気エンジン、直列6気筒にスプレーガイド直噴を採用したツインターボエンジンを実用化していた。今回の新エンジンは、直列6気筒直噴ターボエンジンにバルブトロニックを初めて組み合わせた。
新エンジンは排気量3.0Lでツインスクロール形式のシングルターボを搭載することで最高出力225kW、最大トルク400N・mを発生する。出力、トルクは「5シリーズ」の「540i」に採用されている排気量4.0Lの自然吸気V型8気筒エンジン(最高出力225kW、最大トルク390N・m)とほぼ同等ながら、排気量を減らした。燃費は540iセダンが6速自動変速機(AT)との組み合わせで7.6km/Lなのに対し、「760Li」に続いて導入したドイツZF社製の新型8速ATとの組み合わせで9.4km/Lと23%改善している。
同社が2006年に実用化した6気筒のツインターボエンジンは3気筒ごとにターボを配置し、理論空燃比で運転する直噴ツインターボエンジンだった。このエンジンはシリンダヘッド頭頂部にピエゾ式インジェクタを配置するスプレーガイド直噴を採用していた。新エンジンはインジェクタのレイアウトは同様であるが、ピエゾ式インジェクタではなくより小型のソレノイド式のマルチホールタイプのインジェクタを採用した。これはバルブトロニックを搭載したことによって、シリンダヘッドの場所取りがより厳しくなったため。なお、理論空燃比で運転する点や、最大噴射圧が20MPa(200気圧)である点は変わっていない。
ターボチャージャは米BorgWarner社製のツインスクロールタイプで、1〜3気筒、4〜6気筒の排ガスが異なるスクロールに導かれる。6気筒の点火順序は1-5-3-6-2-4となるので、各スクロールにはクランク角で120度おきに排ガスが導かれ、排気干渉が少なくなる。なお、マニホールドとタービンハウジングは一体化している。
ターボ過給エンジンを直噴化すると圧縮比を高められ、燃費効率が向上する。今回、さらにバルブトロニックを追加することで、低回転域でのトルクが増え、それによって最大トルクを発生するまでの時間も短くなっている。コスト面では新たにバルブトロニック機構が追加されるが、ツインターボがツインスクロールターボになることでターボチャージャが一つ減っていることや、インジェクタがソレノイド式になったことで、若干下がっている可能性がある。
バルブトロニックの見直しでは、モータを小型化し角度センサと一体化してシリンダヘッドに埋め込んだ。これによって、従来はシリンダヘッドの外側に突き出ていたモータは見えない位置に設けた。
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