図1 ZCC2520-Eの外観
図1 ZCC2520-Eの外観
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図2 概要
図2 概要
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 米Wireless Glue Networks, Inc.(WGN社)は,無線通信仕様「ZigBee Smart Energy Profile」を利用してスマートメーターからデータを受信し,表示する機器「ZCC2520-E」を「Embedded Technology 2009」(2009年11月18~20日,パシフィコ横浜)に出展した(図1,2)。「住宅内の部屋ごとに設置して電力事業者からのメッセージなどを表示し,ユーザーに電力利用にまつわる情報を知らせる」(WGN社)ために使う。スマートメーターは,電力事業者の有するサーバーとの通信や,住宅内の機器の電力使用量といった情報を収集するための機器である。

 WGN社は,米国におけるスマートグリッドの実証実験に向けてZCC2520-Eを開発した。現在,カリフォルニア州で米Pacific Gas and Electric Co.(PG&E社)や米Silver Spring Networks社らと,テキサス州で米CenterPoint Energy社や米IBM Corp.らと実証実験を進めている。

 ZCC2520-Eは「廉価版」(WGN社)という位置付けで,データの送信機能などはない。容量950mAhのLiイオン2次電池を搭載し,30分に1回程度の頻度で通信する場合,充電しなくとも2~3年は動作できるという。なお,充電用の外部インタフェースとしてminiUSB端子を備えてある。ディスプレイとしてブリヂストン製の電子ペーパーを採用。無線通信用ICには,米Texas Instruments Inc.製のRFトランシーバ「CC2520」や,パワーアンプ「CC2519」などを使った。

 ちなみに,ZigBee Smart Energy Profileは,米国内におけるスマートグリッドの標準化を取りまとめるNISTにおいて,住宅内向け無線通信の標準とされている仕様である。